先日、百貨店のデパ地下で、有名ケーキショップ数店が参加した期間限定の「アロニアスイーツフェア」を発見し、健康のくくりを飛び越えた、本格的ブームの到来を予感させた。
そもそも、アロニアってどんな果物なのか、調べてみた。姿かたちはアメリカでは「チョコベリー」と呼ばれるほど、ブルーベリーに似た1cmほどの丸い果実。日本での歴史は30年と浅く、北海道を中心に栽培されている。
果実には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンをブルーベリーの2倍以上含んでいる。よって、目の各機能を回復し、血液循環をスムーズにし、高血圧の防止に役立ち、アンチエイジングにも効果があるのだ。さらに、ビタミンCや食物繊維も豊富に含んでおり、美容にもいいことづくし。究極の健康果樹と呼ばれるゆえんが分かるほどの効果で、さすが、ポストブルーベリーと言われるだけのことはあると納得。
本格的ブームを前に、ますます、アロニアについて知りたくなったので、実際にアロニアを使った食品を販売している壺屋総本店さんに、メーカーから見るアロニアのいいところ・わるいところを聞いてみた。
アロニアという実は大変渋く、そのまま食べるには苦すぎる。さらに、蜜漬けやコンフィチュール(フランス語。「ジャム」の意)の塩梅が難しく、非常に低いpH(水素イオン指数で、低ければ酸性が強く酸っぱい)でゼリーにする際などは固まりづらいと、なかなか一筋縄ではいかない果物だったそう。しかし、現在では試行錯誤を経て、アロニアジュース、アロニアチーズミルフィーユ、グミ、ゼリー、キャンディー、そしてジャムなどを販売。
ちなみに、壺屋総本店さんが、アロニアの商品を作るようになったのは、本社がある旭川市の木である「ナナカマド」のお菓子を作ろうとした際、その花の構造が似ていることから、ある地域では「黒の実のナナカマド」と呼ばれていたアロニアに出会ったことがきっかけだそう。その後、アロニアを調べてみると、その効果に驚き、機能性食品的なお菓子を作ろうということになったのだとか。
すごい偶然である。
購入者の多くは、健康情報に関して敏感な年配層の方だそうだが、注目が集まっている今日、若い層に広まっていくのは確実!? ブルーベリーのように、コンビ二にアロニア味のお菓子が並ぶ日も近いかもしれない。
(平山ハイジ/studio woofoo)
・壺屋総本店HP