赤ちゃんが誕生したその日から、トイレトレーニングが成功する日まで必要とする(交換する)オムツの数は平均で5000枚に達するという。
アメリカ人の9割はこの使い捨て紙オムツを使用しているというが、昨年だけで米国内の地に約230億もの使用済み「オムツ」が埋め立てされ、堂々たるゴミ第3位に選ばれているのもこの紙オムツだった。

紙とは言うもののビニールが施してあるので、地に還るまで500年もの年月がかかる。

最近は特にエコ推進が盛んなこともあって、リサイクルやゴミをなくす努力をしている人が少なからず自分の周りにいるのも確かだが、日本のように布オムツ使用をする人には滅多に出会ったことがない。

そんななか「人間の汚物の行く先は埋め立て地ではなくトイレ」と言い切り、新しいオムツを開発してしまったオーストラリア人のジェイソンさんとキンバリーさん。
その名もグリーンのGからとったGオムツなるGダイパー。

汚れたオムツをトイレに流せちゃうのだ(と言っても正確にはオムツそのものを流すわけではないのだが)。
使い捨てではない専用のオムツカバーがあり、マジックテープとスナップが付いている。
それにおしめとなるライナーをバリッ・プチッと付ければオムツが出来上がる。
女性が使うナプキンと似たような付け替えシステムだ。
汚れたらバリッとライナーを取り外し、コア部分を引っぱり先にトイレに落とすと、残りのライナー部分がスルリとパラパラした紙切れのようになるので流れもスムーズ。

カバーが汚れてもササッと手洗いで10分程で乾くので、次のが汚れる前に使用可能状態になっているという。
いくら小さくぎっちり丸め固めてもトイレに流せそうもない大きさ、というのが普通のオムツだが、これならトイレットペーパーのように流せる。

「詰まったら困るし流すのには抵抗がある」という人もいると思うが、各種メーカー便器や水量水圧、そして国の衛生財団機関の水洗トイレテストにもパスしているので、さほど心配はいらないようだ。


ビニール使用ゼロなので、コンポストやゴミに出しても50~150日で土に還る。

マジックテープと薄型ライナーのためピッタリフィットで、赤ちゃんの活発な動きも健康的だ。このフィット感のせいか漏れも少ないそうだ。
そしてこのライナーには赤ちゃんの敵、漂白剤のような薬品や芳香材のようなものは一切使われていないナチュラル素材。
赤ちゃんにも、親たちにも、地球にとっても、気持ちの良いオムツのようである。
(シカゴ/あらた)

「gDiapers」HP*英語サイト