今年の夏は、数年ぶりに海に泳ぎに行ったのだが、久しぶりの海でショックなことがふたつあった。
ひとつ目のショックは、自分の体力がビックリするくらい衰えていたこと。
ちょっと泳いだだけで、スグにおねむになってしまい「俺、大丈夫か!?」と悲しくなる始末。
まぁ、それはいいのだが、もうひとつ気になったのは姿勢の悪い女性を目にしたこと。せっかく魅力的な水着を着ていたり、健康的な肌の色をしていても、その猫背ですべてが台無しに。もったいない……。

そんな女性に是非通ってもらいたい、習い事教室の情報を得た。その教室とは、“殺陣(たて)教室”のこと。

1971年に俳優の稽古場として設立された「高瀬道場」が、プロの殺陣を一般女性向けに教える教室を開講。20~30代前半の女性を中心にひそかな人気を呼んでいる。

なぜ、殺陣教室に通ってもらいたいかと言うと、殺陣をすることで姿勢がよくなるのだ。
詳細を、高瀬教室で指導している多加野詩子先生にお伺いした。
「殺陣は、体の真ん中に1本の線を通す意識で立ちます。立ち姿は、頭の上から1本ひもが出るという意識で、肩甲骨を下げて立つと、姿勢がよくなります」
自ずと、凛とした姿勢をつくることになるのだ。


また、殺陣にはシェイプアップ効果だってある。
「相手に斬り込む体勢は、右足を前にして左足を大きく後ろに下げ、左足のかかとは上げた状態にします(逆足もあります)。
その体勢は前足に重心がかかり、左足のふくらはぎ、ふともも、背中、お尻に力を入れないとキープできないのです」
こうすると、普段意識しない背中に力を入り、シェイプアップ効果がある。
もちろん、殺陣をやるわけだから、ストレス解消にも役立つ。

気になる受講内容だが、帯を締めて竹光を使い殺陣の型の稽古。“竹光”とは実際の撮影でも使用される、真剣の半分の重さほどの刀のこと。
この刀なら、女性でも比較的簡単に扱うことができる。
殺陣では「半身」と呼ばれる動き(通常は右足が前に出ると左手が前に出るが、右足が出る時に右手を前に出す動き)をするのだが、半身の体勢は慣れるのに時間がかかる。この動きを習得するために、高瀬道場ではノリやすい音楽を流して稽古を実施。映画音楽など色々なジャンルをかけるそうだが、多加野先生のお気に入り、葉加瀬太郎の『情熱大陸』なども使用。ちょっとゴキゲンじゃないッスか!?(笑)

最終的には、受講生同士で斬って斬られての演技をすることになる。
自分が刀を「エイッ!」と振り下ろせば、相手がバッタバッタと倒れていく。
こりゃ、キモチいいだろう! やはり、このレッスンが受講内容で一番楽しいので、殺陣教室ではみんなが楽しくなるように、早い段階でここまで進んでいくとのこと。

ちなみに、殺陣に運動神経は全く関係ないらしい。殺陣経験が無くても、運動が得意じゃなくても、何ら臆することはないのだ。
多加野先生いわく、「殺陣はリズム感がある人が、上達が早いです」。

この女性限定講座、昨年に単発でやってみたら学生やOLからの反響が多く、「継続してほしい」とのリクエストに応えて今年の4月に吉祥寺、7月には北千住でスタート。
吉祥寺は当初は1クラスのみの講座だったが、今では人数も増えて2クラスに増やしている。

1クラスは10~15名。できるだけ、一人一人とのやりとりを深くしたいという多加野先生の意向で、このくらいの人数に抑えている。

実際に受講された方々の感想は「姿勢が良くなった」「ストレス解消になった」と、女性にとっていい事だらけである。
また高瀬道場ではもちろん、男性向けの殺陣教室も開講している。最近、「男性向けはないのか?」という質問が来るとのことで、その点はご心配なく(笑)。

10月4日には女性限定の一日体験クラスも新宿で開講予定。

お料理教室や、ワイン教室もいいのだが、殺陣教室で姿勢と体型を矯正。背筋の伸びた“デキる女”を目指してみるのもいいのでは!?
(寺西ジャジューカ)

高瀬道場HP