でも実はこれ、れっきとした香辛料。今年5月に横浜で行われたアフリカン・フェスタで売られていたものだ。“ルワンダの香辛料”ときいて興味は沸いたものの、どんな味かわからないうえに、量も20mlと量も少ない。商品を前にしばし悩んでいたら、
「とにかく辛いから、一度に数滴使うだけでOK。この量で充分だよ」
そういわれて、ひとつ買ってみることに。
「なんにでも合うし、まずは辛さに驚くはず」
商品を渡されながら、改めて念押しされた。
いったいどれほど辛いのか? とりあえず味見をしようと思い、一滴スプーンに垂らしてなめてみた。即後悔。ピリピリとした刺激が舌をおそい、慌てて水を飲みほした。いや、ホントに辛い。かつて世界一辛いといわれた、あのハバネロを彷彿とさせる辛さかも。
しかし驚いたのは、辛さだけではない。
しかし、いまのところ日本では名前すらほとんど耳にしないアカバンガ。商品を作っているルワンダの業者に問い合わせてみたところ、
「残念ながら日本に輸出していないんです」
とのこと。どうやらイベントということで特別に販売されていたようだ。
アカバンガはルワンダだけでなく、周辺諸国でもかなりポピュラーなスパイスなのだという。
「味わったならわかると思うけれど、アカバンガは辛いし、とてもスパイシー。でも肉にもサラダにもなんにでも合いますよ」
ちなみにアカバンガとは現地の言葉で、「小さな秘密」を意味する言葉だそう。天然香料を使っているため、体にもやさしい。
アフリカの小さな秘密。いつか日本でも気軽に味わえる日が来るかもしれません。
(古屋江美子)