かつては「女子高生のもの」というイメージが強かったプリクラ。今は犯罪抑制の意味などから、「カップル以外の男性は立ち入り禁止」としているところも多く、また、郊外の大型ショッピングセンターなどのコーナーでは、小中学生など、低年齢層の姿も多く見かけるようになっている。


だが、そんななか、ちょっと面白い風潮なのは、「親子でプリクラ」をする人が増えているらしいこと。

「若い夫婦と赤ちゃん」というパターンが多いが、その他にも、小学生くらいの子どもと親、さらに「三世代でプリクラ」なんてものもあるらしい。
いまでは「親子でプリクラ」は常識なの? 「プリント倶楽部」でおなじみのアトラスに聞いた。

「家族をターゲットにした機種は、実際に増えています。ここ1年くらい、景気の影響でゲームセンター全体が調子を落としているなか、ショッピングセンター系のゲームコーナーは調子が良いため、そうした場所に向けて若い夫婦、お母さんと子供向けのキャラクターモノの機種などを増やしているんですよ」

ターゲットは、20代後半~30代のお母さんと、3~5歳程度の子どもたち。「第一次プリクラブーム」と言われた1997年頃に女子高生だった人たちがお母さんになり、親子でプリクラをすることが多いのだそうだ。

さらに、「お母さん」ではない20代~30代の「プリクラを卒業した世代」」に対して、「ミッキーマウス」や「リラックマ」など、おなじみのキャラクターの機種が登場したり、普通の女子高生向けの機種であってもショッピングセンターなどでは、親子で楽しんでいる人も増えているそう。

また、意外なのは、母と子だけではなく、「お父さん」が一緒にプリクラを楽しむケースもあるらしいこと。
「東京都庁や、箱根小涌園の『ユネッサン』、東京湾アクアラインの『海ほたる』など、ファミリーで行く場所では、年齢問わず家族連れでプリクラを撮る人たちが増えており、観光地向けのご当地機種を弊社でも出しております。ちょっと前ですが、微笑ましい例として、海ほたるで、お孫さんがおばあちゃんの手をひいて一緒に撮っていた……なんてことも聞いたことがありますよ」

ご当地機種の場合、色々な「季節」「時間帯」のフレームを用意しているところもあり、「遊んで、記念にプリクラを撮って帰る」「昼間に行って、夜景の合成フレームで撮る」などのパターンも多いのだとか。
「観光地で記念にプリクラ」は、もはや「記念写真の一つ」になっているようで……。
実際、個人ブログなどでは「家族でプリクラ」「親子でプリクラ」について綴っているものも多く、お父さんたちがノリノリでうつっているものも見られる。


今のプリクラは、キレイに撮れるだけじゃなく、ポーズ例が出たりして、それを家族で楽しむケースもあるらしい。

知らないうちにプリクラは、機種だけでなく、利用の仕方にもずいぶん変化が起こっていました。
(田幸和歌子)
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