早いもので、そろそろ忘年会シーズン。この時期、タクシー利用がいつもより増える人も多いのでは?

ところで先日、休日の中央道を走っているタクシーを見て、行き先がどこか気になった。
そういえば、タクシーって一体どこまで連れて行ってくれるのか。極端な話、東京から大阪だってお金さえ払えば行ってくれるのか。「あまりに遠方だと帰りの高速代を請求される」なんて話も聞くけど……。

そこで関東運輸局に話を聞いてみると、地域によって設定は違うそうだが、たとえば同局の管轄下では、
「営業区域の境界から概ね50kmを超えた場合には、運送を断ることができることになっています」
ただしこれには、高速道路や自動車専用道路、その他有料道路(東京湾アクアラインをのぞく)は含まれない。また、特別区・武三地区(東京23区及び武蔵野市、三鷹市)など一部の地域では、1乗務(出庫から帰庫までの連続した勤務)における乗務距離が365kmまでと定められているが、こちらも高速道路などは含まれない(首都高をのぞく)。

ということは、料金さえ払えばどこにでも連れていってもらえる?
「いえ、たんに距離だけでなく、労働時間なども考慮する必要があります」
なるほど、たしかに。また高速道路を使用する場合、営業区域の境界から50kmを超えると、帰りの高速料金を請求してもよいことになっているのだという。このほか京浜地区(横浜・川崎他)などでは、東京湾アクアラインの帰りの料金を請求できるそう。ちなみにタクシーは基本的に営業区域内でしかお客さんが乗せられないので、遠方では帰りに別の客を乗せることはできない。

参考までに近畿運輸局にも問い合わせてみると、
「大阪・京都・神戸の指定された各地区では、一日の乗務距離の最高限度を350kmに定めている」
そうで、こちらは高速道路や一般道路の区別はなし。また帰りの高速道路料金については、約款を変更し、認可を受けていれば、境界から50kmを超えたときに請求できるそうだ。

地域により細かい違いはあるにせよ、遠距離の場合、帰りの高速代を請求される可能性はあるということ。
ただそれ以前に運転手さんの労働条件や運賃など諸々考えると、やはり運送は常識的な範囲にとどまりそうです。
(古屋江美子)
編集部おすすめ