大吉、吉、末吉、凶……その運勢に一喜一憂するおみくじ。ゆえに、いい結果が出るまで何度も引いちゃう人もいるほどだ。


ところでみなさんは、おみくじの文章の方も読んでるだろうか?
「願望」「病気」「恋愛」など、十数種類の項目がある、あの細かい運勢。これを読んでると、ときどき冷たい言葉を浴びせられることがある。

例えば『待人…来ず』とか『失物…出ず』とか、縁起でもない全否定の言葉。他にも、新居を決めた直後なのに『転居…控えよ』とか、明日から旅行なのに『旅行…行かぬが吉』とか、風邪ひいてるのに『病気…治らず』とか。

こういうひどい言われようのときって、どう対処したらいいんだろうか。神社本庁に話を伺うと、単純な答えが返ってきた。


「平常心で過ごせばよいと思われます」

理由は、別の機会に改めておみくじを引けば、違った結果が出るかもしれないから。確かに気にしなきゃいいんだろうけど……中には平常心じゃいられない人もいるはず。その根拠を教えてください。
「例えば『待人来ず』でしたら“おみくじを引いた時点では”待人は現れない、くらいの意味で考えてもいいんです。引いたおみくじが関係する期間は、その場限りと思ってもいいですし、1週間や1カ月、1年など、引いた方の解釈で構わないんですよ」
つまり1カ月後に引越しがある人が『転居…控えよ』っていうおみくじを引いても「おみくじの効力は1週間」と思えばいいってこと。シッ! 都合いい解釈とか言わないっ! 自分のプラスになるよう考えること、それがおみくじってわけだ。


また項目の意味についても、おみくじを引いた人の解釈に委ねられてるという。例えば『待人』の意味は……、
「『運命の人』や『自分の転機となる人』はもとより、翌日に人との待ち合わせがある方であれば、『待ち合わせに来る友人』と考えても構いません。おみくじを引いた人が『待人』と思う人を『待人』と考えて差し支えないでしょう」

おみくじの言葉には、定義がない。引く人の心理的な状況、置かれた環境などで、さまざまに解釈していいという。それにおみくじは予言じゃなく、一種の占いなわけだから、朝7時58分のテレビの占いを気にするかどうか、くらいの感覚で読めばいいようだ。

ちなみに、悪い結果が出たらいい結果が出るまで何度でも引いちゃう、っていう引き方はいいの?
「おみくじを引く間隔に決まりはありませんが、ある程度は間を空けるべきかと……今後を占うわけですから」

初詣で引いたおみくじ。
新年早々、縁起でもない言葉にダメージを受けた方は、自分なりの解釈で乗り越えてください。
(イチカワ)