まるで少女漫画のドジな主人公のように、「塩と砂糖を間違える」なんてパターンも、「ホントにそんなヤツいるのかよ?」と思う人はいるかもしれないが、実際、中学校の調理実習で「塩ゼリー」を作った友人を私は知っている。
これと同じく、料理酒とお酢を間違えるなんてドジも、完全に本人のせいであり、誰を責めることもできないのは重々承知のうえで、あえて理不尽な八つ当たりをさせてください。
「なんでお酢と料理酒のビンって、こんなにも似ているの!?」
我が家の場合、流しの下に料理酒・みりん・お酢などの調味料を入れており、料理をしながら、流しの下をあけ、上からビンのフタだけ見て「おお、あったあった」と取り出してドボドボ……ここで悲劇が起きる。
いや、もちろんちゃんと確認しない自分が悪いのだけども。そして、料理番組のように、使用する調味料をあらかじめ用意しておけば、何の問題もないわけだけども。
でも、本当に八つ当たり。フタの色をはっきり分けてくれても良いのではないですか?
ミツカンのお客様相談室に聞いてみた。
「確かに、料理酒とお酢を間違えるというご意見をいただくことはときどきございます。一応、キャップの色で、みりんは赤、お酢と料理酒は黄色と分けているのですが、お酢と料理酒がたまたま一緒なので、混乱される方が多いようです」
そもそもどのようにキャップの色を選んでいるかというと……。
「調味料そのもののイメージで決めております。みりんは、食欲を刺激する赤。お酢と料理酒はイメージから、黄色としております」
確かに、昔から「料理酒=黄色」「お酢=黄色」のイメージは強く、いまさら変えると、かえって混乱してしまうのかも、ということはある。
ちなみに、みりんに関しては、他社では赤いキャップ以外のものも増えているのだそうだ。
大前提として、本人が注意すれば良いだけの話ではあるが、ここで一つ図々しい提案を。
同じく黄色のキャップを採用している料理酒とお酢は、上から見てすぐ区別できるよう、キャップの上に「酢」「酒」という文字を入れるのはいかがでしょう。自分で書けばいいという話かもしれないけど。
それに、定食屋に置かれた「ソース」「しょうゆ」の容器みたいになっちゃうか……。
(田幸和歌子)