卒業シーズンで、サイン帳などを文具売り場・ファンシーショップで多く見かけるこのごろ。
サイン帳と並んで売られているものに、「こうかんノート」がある。
「交換日記」といえば、かつては大学ノートや、フツウのノートに書いていたものだが、それがいま、「交換日記専用」として、『ちゃお』などの少女漫画雑誌の付録についてきたり、文具売り場などでたくさんの種類が売られている。
20代半ばの女性は、「私が小学生の頃からありましたよ」と言っていたけど……。いまどきの交換日記はどうなってるのか。
いまどきの交換日記がフツウのノートと大きく異なるのは、フォーマットがかなりかっちり決まっていること。
最初のページにはたいてい「メンバープロフィール」があり、そのあとは細かく枠で区切られ、「きょうのたんとうは→」という項目から、「今日のキブン」「GOODニュース」「BADニュース」「びっくりニュース」「ファッションニュース」「LOVEトーク」「きょうの一言」「TVげいのうネタ」「なやみそうだん」「ないしょばなし」「みんなのへんじ」などの項目を経て、「つぎのたんとうは→」と続く。
なかには、ノートの最後で、「こうかんノートをつづける? YES NO」と、みんなにアンケートをしたうえで決議する項目が設けられているものまである。
なぜこうした形式になっているのか。
ファンシーグッズの企画、デザイン、販売の「カミオジャパン」によると、メインの購買層は小学生なのだという。
「項目は、小中学生のお客様にモニター会を実施し、どういったものが欲しいかなど質問させていただいて決めております。特に、女の子の絵と詩がワンセットの、友情モノ、仲間を実感しあえるものが人気です」
かつてコネタで書いた「サイン帳」事情と共通しているのだが、こうした「こうかんノート」は、フォーマットがある簡便さの一方で、オリジナリティが生まれにくいという面もある。
たとえば、交換日記をやっていくと、自分で「4コマ漫画」を書いたり、なぜか「5コマ漫画」になっちゃったり、オリジナルの「あみだくじコーナー」や「占いコーナー」、そのうち「謎の歌コーナー」なんてものができたり、そのときどきで「流行」と「模倣」が生まれるもの。
毎回「うんこ」ばかり描いて顰蹙を買う子もいれば、毎回、同級生の男子全員を点数付けする子もいた。
だが、今ではわずかな「フリースペース」があるのみで、「暴走」はしづらい。
ちなみに、ノートが変わっても、変わらないものももちろんある。
周囲の子どもたちや教員をしている友人たちに聞いてみると、「いろんな友達と、複数の交換ノートをやっている」とか「誰かが止めていて、まわってこない」とか「いつの間にかなくなっていた」とか、出てくるのは昔ながらの「交換日記あるあるネタ」ばかりでした。
(田幸和歌子)
サイン帳と並んで売られているものに、「こうかんノート」がある。
「交換日記」といえば、かつては大学ノートや、フツウのノートに書いていたものだが、それがいま、「交換日記専用」として、『ちゃお』などの少女漫画雑誌の付録についてきたり、文具売り場などでたくさんの種類が売られている。
20代半ばの女性は、「私が小学生の頃からありましたよ」と言っていたけど……。いまどきの交換日記はどうなってるのか。
いまどきの交換日記がフツウのノートと大きく異なるのは、フォーマットがかなりかっちり決まっていること。
最初のページにはたいてい「メンバープロフィール」があり、そのあとは細かく枠で区切られ、「きょうのたんとうは→」という項目から、「今日のキブン」「GOODニュース」「BADニュース」「びっくりニュース」「ファッションニュース」「LOVEトーク」「きょうの一言」「TVげいのうネタ」「なやみそうだん」「ないしょばなし」「みんなのへんじ」などの項目を経て、「つぎのたんとうは→」と続く。
なかには、ノートの最後で、「こうかんノートをつづける? YES NO」と、みんなにアンケートをしたうえで決議する項目が設けられているものまである。
なぜこうした形式になっているのか。
ファンシーグッズの企画、デザイン、販売の「カミオジャパン」によると、メインの購買層は小学生なのだという。
「項目は、小中学生のお客様にモニター会を実施し、どういったものが欲しいかなど質問させていただいて決めております。特に、女の子の絵と詩がワンセットの、友情モノ、仲間を実感しあえるものが人気です」
かつてコネタで書いた「サイン帳」事情と共通しているのだが、こうした「こうかんノート」は、フォーマットがある簡便さの一方で、オリジナリティが生まれにくいという面もある。
たとえば、交換日記をやっていくと、自分で「4コマ漫画」を書いたり、なぜか「5コマ漫画」になっちゃったり、オリジナルの「あみだくじコーナー」や「占いコーナー」、そのうち「謎の歌コーナー」なんてものができたり、そのときどきで「流行」と「模倣」が生まれるもの。
毎回「うんこ」ばかり描いて顰蹙を買う子もいれば、毎回、同級生の男子全員を点数付けする子もいた。
だが、今ではわずかな「フリースペース」があるのみで、「暴走」はしづらい。
ちなみに、ノートが変わっても、変わらないものももちろんある。
周囲の子どもたちや教員をしている友人たちに聞いてみると、「いろんな友達と、複数の交換ノートをやっている」とか「誰かが止めていて、まわってこない」とか「いつの間にかなくなっていた」とか、出てくるのは昔ながらの「交換日記あるあるネタ」ばかりでした。
(田幸和歌子)
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