今や多くの自治体で実施している容器包装プラスチックのリサイクル。その資源ごみを出す時にいつも悩むことが。
区役所のお知らせを見ると、「汚れをよく落として出す」と書いてあるのだが、具体的にどの程度まで落とせばいいのだろう? 特に食品系の容器の場合、油などでベトベトになっていると洗うのが面倒くさくて……。

日本容器包装リサイクル協会に聞いてみると……。
「当協会では、自治体の方へ“水でさっと洗う、簡単にふき取る程度で落ちるものをお出しいただく”ようにご指導くださいとお願いしています。逆に、水でさっと洗う、簡単にふき取る程度で落ちないものは、資源ごみとして出さないようにお願いしています」

水でさっと洗ったぐらいで落ちないものは出しちゃダメ。中途半端に汚れを残したまま出すのなら、燃えるごみに出した方がいいということのようだ。でも、汚れたまま出してしまうことも結構あるはず。
この場合はどうなるの?

「自治体の処理施設では、人の手によって選別されていますが、その際に原則として汚れているものは取り除くことになっています」

自治体により集められた容器包装プラスチックは、再商品化事業者によって、選別、破砕、洗浄、比重分離、乾燥等の工程を経て再商品化される。汚れのひどいものがあると、選別の段階で取り除かれる場合もあるが、キレイにするための処理コストがかかるということだ。

ということは、出す側の私たちが食器用洗剤などできっちり汚れを落としておけば、取り除かれることもなく、より多くの容器包装プラスチックがリサイクルされるというわけ。

それでは、汚れを落とす以外の注意点は?
「小袋での排出は原則禁止です。収集袋には小袋から出して排出するようお願いしています。小袋の中身の確認に大変手間取り、処理コストに影響するためです」

小さなレジ袋などに資源ごみを入れて、さらにそれを大きなごみ袋に入れるのはNGということだ。


他にも、汚れを落とす際に洗った場合は、必ず乾かしてから出してほしいとのこと。濡れたまま出すのはNGだそうだ。洗ったはいいけど、乾かさないでごみ袋に入れちゃうことって結構あると思うから、これは気をつけないと。

あと、資源ごみとして出せるのは、プラマークがついているものが基本だけど、プラマークがついていなくても出せるものはある?

「食品トレー等のラップ・吸水シート、PETボトルのキャップ、果物ネット、商品を保護しているエアークッション、スーパーなどの透明のビニール袋・レジ袋などは対象となります。逆に対象にならない代表的なものに、クリーニングの袋、ダイレクトメールの袋、保冷パック、洗剤等の軽量カップなどがあります」

こうやって見ると、リサイクルできる容器包装プラスチックは実に多い。これがちょっと前まではすべて燃えないごみだったのだから驚きだ。


分別や汚れを落とす作業は面倒だけど、限りある資源を有効に使うために、これからは多少の手間は惜しまないように心がけたいと思います。
(S.I/C-side)