砂場で遊んだ記憶は、なぜかやけに懐かしい。
砂を集めて作った山、クネクネと溝を掘って作った川、その川は山を貫いたトンネルとつながっていて……。
そんな砂場について、大人になってから疑問に思ってたことがある。それは、どのくらいの深さなんだろう? ってこと。遊んでいて、底にぶち当たった記憶はない。でも確実に底はある。ずっと掘っていけば、何かにぶち当たるはずだろう、と。
一体どのくらいの深さなんだろう。実際に公園で砂場を掘りまくるのは怪しすぎるから、幼稚園などの遊具を製作している、遊景空間・創に話を伺った。
「当社で砂場を作る場合、砂の深さは30から40cmぐらいです」
そんな浅かったとは! 40cmっていえば、大人のヒザ下ぐらい。子どものころ、もっと深く掘ってると思ってた。
じゃあ30~40cm掘った、砂場の底にあたる部分はどうなってるの?
「砂の層の下には、砂が流れていかないよう不織布(ふしょくふ)を敷いています。さらにその下には、水はけをよくするための砕石を敷いています。
砂場を製作してる数社に聞いたけど、やっぱり深さは30~45cm程度。また底の部分は、砂の下に不織布を挟まず、砕石が敷かれてるだけっていう、簡単な作りの砂場も多かった。植木鉢やプランターの構造と同じで、それだけでも問題ないという。
ところで、どうしてこんなに浅いんだろう。大正時代の教育雑誌には“1尺5寸(約45cm)以上ないと困ります”と、深めにするようアドバイスされていた。それが今は「遊具の安全に関する基準」(社団法人日本公園施設業協会作成)という冊子の中でも、基本的に20~45cmが望ましいと書かれてる。
砂場が浅い理由について、2つの業者が教えてくれた。
「幼児はそれほど深く掘り起こさないですし、深くすると工事のとき時間も砂の量も必要になり、コストがかさみます。だから浅くて充分なんです。それに深くすることで水はけが悪くなり、砂が固くなったり、菌が繁殖するなど、子どもにとって良くない面も大きいですよね」
「砂場の砂は、雨に流れることもあれば、砂場の外に砂を出す子もいますので、だんだん減っていきます。そのため本来は砂をこまめに補充すべきなんですが、公園などで管理が行き届いていない場合、砂場に大きな段差ができてしまう危険があります。そのため、浅めにして事故を防いでいるというのも、理由のひとつです」
コスト面だけじゃなく、遊ぶ子どもたちのことを考えて、浅く作られていた砂場。
砂場が深かったような気がした記憶は、自分の体が小さかったからこそ、かもしれません。
(イチカワ)
砂を集めて作った山、クネクネと溝を掘って作った川、その川は山を貫いたトンネルとつながっていて……。
そしてそれらが、次の日無残にもつぶれてることさえ、今思えば懐かしい。
そんな砂場について、大人になってから疑問に思ってたことがある。それは、どのくらいの深さなんだろう? ってこと。遊んでいて、底にぶち当たった記憶はない。でも確実に底はある。ずっと掘っていけば、何かにぶち当たるはずだろう、と。
一体どのくらいの深さなんだろう。実際に公園で砂場を掘りまくるのは怪しすぎるから、幼稚園などの遊具を製作している、遊景空間・創に話を伺った。
「当社で砂場を作る場合、砂の深さは30から40cmぐらいです」
そんな浅かったとは! 40cmっていえば、大人のヒザ下ぐらい。子どものころ、もっと深く掘ってると思ってた。
じゃあ30~40cm掘った、砂場の底にあたる部分はどうなってるの?
「砂の層の下には、砂が流れていかないよう不織布(ふしょくふ)を敷いています。さらにその下には、水はけをよくするための砕石を敷いています。
なので掘っていくと、不織布につき当たってしまいます」
砂場を製作してる数社に聞いたけど、やっぱり深さは30~45cm程度。また底の部分は、砂の下に不織布を挟まず、砕石が敷かれてるだけっていう、簡単な作りの砂場も多かった。植木鉢やプランターの構造と同じで、それだけでも問題ないという。
ところで、どうしてこんなに浅いんだろう。大正時代の教育雑誌には“1尺5寸(約45cm)以上ないと困ります”と、深めにするようアドバイスされていた。それが今は「遊具の安全に関する基準」(社団法人日本公園施設業協会作成)という冊子の中でも、基本的に20~45cmが望ましいと書かれてる。
砂場が浅い理由について、2つの業者が教えてくれた。
「幼児はそれほど深く掘り起こさないですし、深くすると工事のとき時間も砂の量も必要になり、コストがかさみます。だから浅くて充分なんです。それに深くすることで水はけが悪くなり、砂が固くなったり、菌が繁殖するなど、子どもにとって良くない面も大きいですよね」
「砂場の砂は、雨に流れることもあれば、砂場の外に砂を出す子もいますので、だんだん減っていきます。そのため本来は砂をこまめに補充すべきなんですが、公園などで管理が行き届いていない場合、砂場に大きな段差ができてしまう危険があります。そのため、浅めにして事故を防いでいるというのも、理由のひとつです」
コスト面だけじゃなく、遊ぶ子どもたちのことを考えて、浅く作られていた砂場。
砂場が深かったような気がした記憶は、自分の体が小さかったからこそ、かもしれません。
(イチカワ)
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