ちょっと前になるが、エジプトに行ってきた。
写真は現地で手にした紙幣の一枚。
エジプトのお金の単位は「ポンド」で、その100分の1が「ピアストル」だ。この25ピアストル札は日本円でおよそ4円。日本に比べ物価の安い国とはいえ、こんな小額紙幣の存在にちょっと驚いてしまった。ちなみにエジプトでは、トイレに入る時に1ポンド(約16円)を払うのが一般的。このお札では4枚出さないとトイレにも入れない。

世界には、もっと小額の紙幣があるのではなかろうか。
ネットを駆使して調べてみることに。まずは、アジアの国々から次の候補が挙がった。
○ラオス 100キープ札
○バングラデシュ 1タカ札
○パキスタン 1ルピー札
○中国 1角札
○ネパール 1ルピー札

いずれも、日本円にするとおよそ1円くらい。これで一件落着……かと思いきや、ネパールやパキスタンの1ルピー札、バングラデシュの1タカ札は、どうやら硬貨にとって替わられ、現在ではほとんど流通していないらしい。中国の1角札も然り。硬貨自体がほとんど流通していないというラオスはどうかというと、こちらもインフレや物価の上昇に伴い、小額紙幣は消えて行く運命にあるよう。


次に、アフリカの国々はどうか。こちらは情報が少なくて調べにくいが、5円くらいが最小額紙幣という国が多い。こちらでも、1円前後の紙幣は消えて行く運命にあるようだ。ジンバブエやソマリアのように、主な国内流通通貨が米ドルなどの他国通貨という国もある。

他に面白かったのは、キューバのように、「3」を単位とする通貨を持つ国があること。日本にもし「30円玉」があったら、4枚集めてきっと缶コーヒーを買うことだろう。
また、ミャンマーにはかつて「45チャット」なる半端な紙幣があったという。さらに、普通、お札は横長だが、イスラエルには縦長の紙幣があるとか。写真を見るとお金のような感じがしなくて、ちょっと不思議だ。

結局、まる一日かけて調べるも世界最小額の紙幣は特定できず。インフレや物価上昇で、流通通貨がどんどん変わって行く方が世界では普通。最小額の紙幣の特定が難しいのはそれが理由のようだ。
ところで、日本の最小額紙幣は1000円札。これはユーロ圏の5ユーロ札(約700円)、ノルウェーの50クローネ札(約800円)、ラトビアの5ラッツ札(約900円)を抑えて堂々の第1位。
日本円がいかに安定した通貨であることを、実感した一日でした。
(R&S)