「この人はオシャレだな」と思うのは、帽子が似合う人だ。どういう人かと言うと、木梨憲武とかテリー伊藤とか、ああいうイメージ。

しかし、帽子には実用的な意味合いだってある。たとえば、日除けとしての使い道。他には、頭部の保護としての使い道もある。

そこで、住べテクノプラスチック株式会社が開発した『スミキャップ』を紹介したい。この樹脂でできたシートを、自分が持っている帽子の内側に装着させる。そして、その帽子を被ってみる。
この状態で、頭に何かの衝撃を受けたとしても、シートを付けていない帽子の約3分の1の衝撃に抑えることができるのだ。

原理は、シートについている312個の突起物が頑張ってくれている。衝撃を受けた際に、これらの突起がつぶれることによって、頭部にかかる衝撃をやわらげてくれる仕組みだと考えていただきたい。

元々、同社の親会社である「住友ベークライト」は、産業用ヘルメットを製造していた会社であり、GHQが駐留していた際のMP帽を扱っていたくらいの老舗企業。
そして、住べテクノプラスチック(株)が、今回の『スミキャップ』の開発に取り組み始めたのは3年前。防災用として軽くて、簡便で、かさ張らなくても携帯できる保護帽はないかと考え、研究開発を行ってきた。


なぜ、そこまで簡便にしなければいけないのか? それは、自分たちの生活を顧みてみればわかるだろう。もし、防災対策にヘルメットや非常食を準備しつつ日常生活を送っていれば、それは全く問題ない。しかし、そこまでしている人って、どれだけいるのか? ヘルメットを置いておくスペースの問題など、そうもいかないのが現状だったりする。
そこで、同社は“防災”を日常生活に落とし込んだ。このシートを、愛用の帽子にセットすれば、衝撃吸収力が一気に3倍になるのだから。

だからこそ、このシートの用途は防災の分野のみではない。
たとえば、帽子をよく被るスポーツ(スキー、スノーボードなど)を楽しむ時にこれを使用すれば、安全面が3倍増しに! しかも、ルックスはオシャレなまま。
他にも、お年寄りが散歩をする時などにも有効。また、自転車に乗るときにヘルメットを被る場合もあるが、これを使えば、そこまで仰々しくない。

実際、私もサンプルをいただいたのだが、自分が気に入って購入した帽子に無事セットすることができる。突起物が7ミリほどあるので、何もセットしていない時より少しだけ窮屈に感じるが、重さは全く感じない。ちなみに、重さは100グラムだそうだ。


この『スミキャップ』は、3年の開発期間を経て、めでたく2月24日に発売を開始。五心産業株式会社埼玉ワールドマスト株式会社特殊衣料などのサイトから、購入することが可能。価格は1,980円。

現代は、いつ何があるかがわからない時代。オシャレを満喫しながら、同時に安全面も獲得できるのだから、見逃せないアイテムである。
(寺西ジャジューカ)