歩きながら食べるとしたら、何がいい? クレープだったり、ハンバーガーだったり、おにぎりだったり……。しかし、私はバナナを推薦したい。
手は汚れないし、皮が付いているから持ち運びにも便利。それに、何と言っても美味い。

そんなバナナが売っている場所といえば、どこがある。どこにだって売ってそうで、実はそうでもないのだ。八百屋やスーパーには売ってるだろうが、コンビニには売ってるところと売ってないところがある。出勤前に駅でパパッと買いたいのだが、売っているとは限らない。


そこで“バナナ派”に朗報。日本初、バナナの自動販売機が誕生したらしいのだ。設置されたのは、6月23日。渋谷駅の田園都市線側にある3番出口近くに佇んでいる。輸入食品会社の「Dole(ドール)」によるものだ。発売当初から話題になっていたので、知っている人も多いと思う。


スゴくありがたい。でも、どうして自販機でバナナを売ろうと思い立ったのか? 同社に伺ってみた。
「バナナの摂取量は、先進国の平均が1日236グラム(1人)なのに対し、日本は148グラムなんですね。日本で一番摂られている果物はバナナなんですが、他国に比べるとまだまだ低いです。そこで、皆さんにもっとバナナを食べていただきたく、この自動販売機を設置いたしました」

意義はわかった。でも、大丈夫か? バナナを置いて放ったらかしにしておくと、いつしか黒く変色したり……。
こうなると、味の劣化も残念なほど。そんな感じにはならないだろうか?
「月・水・金と、週3回に商品の入れ替えをしております。何本か残っているバナナを回収し、新しいバナナを入れているので、黒いバナナは無いはずです」
しかも、自販機内の設定温度は13度。これは、フィリピンからバナナを運んでくる船内と同一の温度! 万全を期している。

ちなみに価格は、1本だけのタイプが130円。こちらは若者が購入することが多いそう。
4~5本のタイプは390円。こっちは近くにオフィスがあるビジネスマンの利用が多い模様。持ち帰って、社内の仲間で食べているみたいだ。

そこで、バナナを買いに私も渋谷に赴いてみました。曜日は水曜日で、バナナの入れ替え時間の寸前をねらって。
行ってみると、すでに1本タイプは売り切れ。
ナカナカの人気なんだな……。というわけで、1房(4本つき)タイプを購入してみました。これを手にとってみると、チョットひんやり。暑い季節に、この温度設定がありがたい。
自販機の横にはDoleのゴミ箱が設置されているので、迷わずその場で食べてると「スミマセ~ン」、背後から声をかけられる。なんと、某テレビ番組もバナナ自販機の取材に来ていて、危うくインタビューを受けてしまいそうに……。
要するに、取材と取材のバッティング! 結局、インタビューは受けませんでした。

その後も様子を見ていると、推定40代の男性がバナナを購入していたり、推定20代の女性が自販機の写メを撮ってたり(購入はせず)、自販機は早くも渋谷の人気者の域に。
係の人が到着してバナナの交換をし始めると、その新鮮な光景にギャラリーもグングン増していく。ここにきて、バナナが世間から興味を再びたぐり寄せたか?

実際、この自販機の反響も上々だという。
「購入する前に、写メで自販機とのツーショットを撮る方もいらっしゃいます。図らずも“人気スポット”となっているようで、ひとつのネタとして楽しまれているみたいです」(担当者)

現在は渋谷駅構内のほかに、東京稲城市若葉台のスポーツクラブにもバナナの自販機を設置中。現在はテスト的に実施されているサービスだが、「オフィスビルや大学構内での設置も検討されております」(担当者)。

わざわざ離れたコンビニに出向かなくても、すぐソコでパパッとバナナを入手。そんな時代を夢見てしまう。
夢の“バナナ・ライフ”の到来はあるか!?
(寺西ジャジューカ)