ラッシュ時間になると、ギュウギュウになるまで人が詰め込まれていることが多い電車。なんだか限界を超えているように感じるが、実際、電車の定員とは何人なのだろうか?

ある鉄道会社に問い合わせてみたところ、「鉄道の種類や車両形式などによって異なりますが、運転席などのない通常の中間車1両あたりだいたい140~150人です」との回答があった。


しかし実際には、定員を超えて乗っている場合もあるように思う。なんだかスッキリしないので、国土交通省の規定を確認してみた。すると、どうやらこの鉄道会社が回答した定員は、乗客1人ひとりが快適に乗れるように計算された「サービス定員」だということがわかった。車や飛行機などで定められている定員は、それ以上乗っては危険だという人数を示す「保安定員」で、「サービス定員」は別物なのだ。

なんでも、電車の強度や性能から考えると定員を超えても安全に運行できるため、定員以上の利用者が乗ることについて、法律では禁止されていないのだそう。ということは、乗れるだけ乗っても、強度や性能的には問題ないということ。
そのためラッシュアワーの電車は、あんなに人が詰め込まれているのかもしれない。

ちなみに、混雑している電車に何人くらい乗り込んでいるのかということの目安は「混雑率」として表現される。この混雑率とはどのような状態かというと……。

・100%……定員乗車(1人ひとりが快適な状態)
・150%……らくに新聞を広げて読める
・180%……折り畳むなど無理をすれば新聞が読める
・200%……体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度ならなんとか読める
・250%……電車が揺れるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない

これらが目安となっている。

電車に乗る場合、混雑を避けたいのであれば、オフピーク通勤など、自分で工夫するしかないようだ。
(渡邊詩織/プロップ・アイ)