少年時代、「正義の味方ごっこ」よりも、「秘密結社ごっこ」をして遊んだという人は多いのでは? Bitでも過去に「ショッカーのワインセット」などのネタが取り上げられるなど、大人になった今も「秘密結社」という言葉の持つ魅惑的な響きに反応してしまったり、「なんかカッコイイ」と心のどこかで憧れている人が多いということなのだろう。
まー、私は女なのでもっぱらままごと遊びの最中に近所の男子に駆り出され、秘密結社の悪玉にさらわれて助けを求める(フリ)をする役どころだったワケですが……。
先日発売された『あなたの隣の秘密結社』(メディアファクトリー)という本によると、今、そんなどこか郷愁を誘う「秘密結社」が密かなブームになっているらしい。そのきっかけとなったのが、2003年にアメリカで出版され、2006年にトム・ハンクス主演で映画にもなった『ダ・ヴィンチ・コード』の大ヒットだという。
この映画が公開された後、わが国でも「フリーメイソンリー」への入会希望者が急増したのだとか。ご存知の方も多いかと思うが、フリーメイソンリーとは18世紀初頭に英国・ロンドン発祥の世界最大といわれる秘密結社。「道徳的な生き方により、真実で善良な人間になること」をめざす団体だが、政治の世界にも密かな影響力をもち、歴史を動かしてきたといわれている。
鳩山前首相の祖父にあたる鳩山一郎氏もフリーメイソンで、本書では「由紀夫氏のスローガン“友愛”は祖父から受け継いだ思想であり、フリーメイソンリーの理念とも地下水脈的に繋がっていたのである」としている。この他、「坂本龍馬フリーメイソン説」などのエピソードも個人的に興味深かった。
本書ではこのフリーメイソンリーを筆頭に、古今東西の実在・架空問わずおよそ30団体の秘密結社を紹介。版元の担当編集者さんによると、「不況だと秘密結社がブームになる」という時代背景も影響しているそう。「“とりあえず”の仮想敵をつくることで、目に見えない不安に名前をつけて安心したい、という心理が働いているのではないでしょうか」とのこと。
しかし、テロリズムや犯罪の匂いがするカルト的な秘密結社ではなく、あくまでかつての「20世紀少年」たちが感じていた憧れとロマンティシズムが執筆の背景となっている。そして、もう一度、「秘密結社」に胸をときめかせよう!というメッセージにより、現代社会を孤独に生きる同志たちにエールを送っているのだ。
いやー、それにしても個人的に興味深かったのは登場する秘密結社のネーミングのインパクトである。「ゾルゲ蝶報団」「カルボナリ党」「薔薇十字カバラ団」「星の智慧派」……一度聞いたら忘れられない名前がいっぱい。わが国の秘密結社というと「死ね死ね団」が有名だが、他にも「ギロチン社」「水戸天狗党」なんてグッときてしまった。
巻末の第5章には「秘密結社をつくるには?」という、実践的なレクチャーページもあっておかしい。そんなわけで、私も自分が秘密結社をつくるとしたら……と考えてみることに。女性のみの秘密結社とかセクシーでちょっとイイかもしれない。それも、「悪女、もしくは悪妻を自認する女たちの秘密結社」。名称は、「ラフレシア団」(腐った肉の匂いを発してハエをおびきよせる、東南アジアなどに咲く超巨大な花より)とか、「日本毒婦党」なんてどうだろう?
ロゴマークは顔のあるラフレシアの花で……と、もう妄想がとまらない。なんだかその気になってきたので、表向きはまじめな社会人、しかし裏では秘密結社の女首領……という、マンガのような二重生活をいつか実現させたいと思います。
(まめこ)
*フリーメイソンリーは組織名で、その会員をフリーメイソンという
まー、私は女なのでもっぱらままごと遊びの最中に近所の男子に駆り出され、秘密結社の悪玉にさらわれて助けを求める(フリ)をする役どころだったワケですが……。
先日発売された『あなたの隣の秘密結社』(メディアファクトリー)という本によると、今、そんなどこか郷愁を誘う「秘密結社」が密かなブームになっているらしい。そのきっかけとなったのが、2003年にアメリカで出版され、2006年にトム・ハンクス主演で映画にもなった『ダ・ヴィンチ・コード』の大ヒットだという。
この映画が公開された後、わが国でも「フリーメイソンリー」への入会希望者が急増したのだとか。ご存知の方も多いかと思うが、フリーメイソンリーとは18世紀初頭に英国・ロンドン発祥の世界最大といわれる秘密結社。「道徳的な生き方により、真実で善良な人間になること」をめざす団体だが、政治の世界にも密かな影響力をもち、歴史を動かしてきたといわれている。
鳩山前首相の祖父にあたる鳩山一郎氏もフリーメイソンで、本書では「由紀夫氏のスローガン“友愛”は祖父から受け継いだ思想であり、フリーメイソンリーの理念とも地下水脈的に繋がっていたのである」としている。この他、「坂本龍馬フリーメイソン説」などのエピソードも個人的に興味深かった。
本書ではこのフリーメイソンリーを筆頭に、古今東西の実在・架空問わずおよそ30団体の秘密結社を紹介。版元の担当編集者さんによると、「不況だと秘密結社がブームになる」という時代背景も影響しているそう。「“とりあえず”の仮想敵をつくることで、目に見えない不安に名前をつけて安心したい、という心理が働いているのではないでしょうか」とのこと。
しかし、テロリズムや犯罪の匂いがするカルト的な秘密結社ではなく、あくまでかつての「20世紀少年」たちが感じていた憧れとロマンティシズムが執筆の背景となっている。そして、もう一度、「秘密結社」に胸をときめかせよう!というメッセージにより、現代社会を孤独に生きる同志たちにエールを送っているのだ。
いやー、それにしても個人的に興味深かったのは登場する秘密結社のネーミングのインパクトである。「ゾルゲ蝶報団」「カルボナリ党」「薔薇十字カバラ団」「星の智慧派」……一度聞いたら忘れられない名前がいっぱい。わが国の秘密結社というと「死ね死ね団」が有名だが、他にも「ギロチン社」「水戸天狗党」なんてグッときてしまった。
巻末の第5章には「秘密結社をつくるには?」という、実践的なレクチャーページもあっておかしい。そんなわけで、私も自分が秘密結社をつくるとしたら……と考えてみることに。女性のみの秘密結社とかセクシーでちょっとイイかもしれない。それも、「悪女、もしくは悪妻を自認する女たちの秘密結社」。名称は、「ラフレシア団」(腐った肉の匂いを発してハエをおびきよせる、東南アジアなどに咲く超巨大な花より)とか、「日本毒婦党」なんてどうだろう?
ロゴマークは顔のあるラフレシアの花で……と、もう妄想がとまらない。なんだかその気になってきたので、表向きはまじめな社会人、しかし裏では秘密結社の女首領……という、マンガのような二重生活をいつか実現させたいと思います。
(まめこ)
*フリーメイソンリーは組織名で、その会員をフリーメイソンという
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