「草食系男子」という言葉が世間に定着してから久しい。
「肉食系」の対であり、メディアや著書等で影響力のある論者は、「恋愛にガツガツしない」「心が優しい」と、好意的に取れる定義もしている。

ただ、「モテない」「情けない」「異性に縁がない」という意味を含め、男を揶揄したりイジったりする言葉として使われているのが実際のところ。
「草食系男子」と呼ばれるのは、あまり気分が良いものではない。特に女性に「○○クンは草食系だね」と言われるのを、屈辱的だと感じる男性も多い。

しかしながら、「草食系男子」と呼ばれて黙っていてはまさに悪い意味での「草食系」ではないか、ということで「自分は草食系ではなく美食系だ」と主張する男たちがいつしか現れた。
公平のために、彼らの言い分も聞いてみよう。

自称「美食系男子」の主張はこうだ。


「決して女性にビビっているのではない」
「モテないわけでもない」
「本当に良い女や好きな女にしか手を出さないのだ」

やるときにはやる、より好みしている「美食」というわけだ。

「美食系男子」を自称する筆者の友人2人は、見た目も良い方だし、頭も良いし、モテないわけでも女性が苦手なわけでもない。事実、結構色々な女の子と遊び(デート)に行ったりしている。
しかしながら、なかなか彼女ができないがために、「草食系」と飲み会の場などでイジられてしまう。そこで、「美食系男子」と反論することにしたとのこと。

「彼女ができないのは、自分が消極的だからではない。
付き合いたいとまで思うような女が現れないからだ」と彼らは言う。女の子とデートしていることについては「あれは友達であり、恋愛対象ではない」と言う。
なるほど、かなりの強気だ。これなら草食系ではない。いや、友人間でのただの内弁慶かもしれないが。

筆者は、彼らは女の子を誘うまでは肉食系だけどその後は草食系ではないかと感じた。
また、「美食系男子」という言葉自体が「口だけ達者」みたいな感じで、イジられる原因になるのではないかとも感じた。

「美食系」を自称することで、さらに女性から嘲笑されてしまうかもしれない。「草食系」と言われて悪い気にならない男性もいるし、彼らの方が女性からの好感度は高いであろう。
もちろん、「美食系」は大口を叩きすぎ(ビッグマウス)ということは本人たちも自覚しているが、「草食系」と呼ばれたことに対する反動のようだ。あるいは、「ネタにはネタで返す」という彼らなりのジョークなのかもしれない。

とはいえ、彼らはそんなに特別ではないような気もする。
あなたの周りにも、そんな強気な「美食系男子」タイプの男がきっといるはずだ!
(もがみ)