最近、料理番組や料理雑誌などでよく見かける「干し野菜」。2~3時間とか半日、太陽に当てるだけで生で食べるよりグンとおいしく歯ごたえもよくなるとのことで、気になっているという人も多いのでは? 保存も可能になるので、食べ切れずに余った野菜の活用法としてもよさそうー。
もやしやレタスなど水分の多いもの以外はどんな野菜でもOKとのことだが、とりあえず初心者にも簡単そうな「大根」と「にんじん」で試してみることに。

なんと太陽に干すだけで、大根はカルシウムやカリウムが、にんじんはβカロチンなどの栄養素もアップするという。しかも、大根などは辛味成分が酵素の働きで甘くなり、たとえば煮物などにしてもまろやかに仕上がるとか……。昔から切り干し大根などはあるけれど、自家製だとあえてセミドライにするなど、好みの歯ごたえにできるのも魅力という。

実は昨年初夏にドライトマト作りに挑戦したことがあったのだが、みごとカビを生やしてしまった経験ありの私。直射日光が厳しい夏の方が干し野菜作りにはいいのでは? 思っていたのだが、実は空気が乾燥してよく晴れた冬の方がうまくいくらしい。

と、長い前置きになったけれど、腕まくりをしてさっそく作業スタート!! と言っても、手順は大根とにんじんの皮をむき、好みの厚さにスライスしてざるに並べて日なたに干す……たったこれだけ。薄くしたほうが早く乾燥するだろうと、紙のようにうすーくしてみた。で、まる一日干してみたところ、水分が抜けてカラカラになった「干し大根」&「干しにんじん」がぶじ完成~!

いや、こうして見ると哀れなほどみずみずしさが失われ、ひと回り以上ちっちゃくなった気が……。「野菜ってほとんどが水分なんだなぁ……」と妙なところで感心してみたり。予想以上に縮むので、皆さんにはやや大きめに切ることをおすすめしたい。「窓辺」と「ベランダ」の二カ所に干したのだが、ベランダの方が若干、日当たりが悪いせいか部分的にセミドライ状態になったものもあった。


と、そんなわけでこの日の夕食にと、油揚げと共にこの2種類を味噌汁の具にしてみた。すると、まず調理時間が早くて済む! そして確かに歯ごたえがイイ! セミドライよりも完全に乾燥させたものの方がおいしく、確かに生で食べるより、素材の味がギュッと凝縮されて滋味深い味わいに。

今回は5~6冊の干し野菜の専門書をあれこれ見てから挑戦したのだが、次はぜひ難易度の高そうな「ブロッコリー」や「れんこん」「ごぼう」などにも挑戦してみたいところ。本によっては、「りんごチップス」や「ドライキウイ」など、ドライフルーツ作りと合わせて紹介しているものもあり、「干す」というシンプルなひと手間がこんなに奥深いことだったとは! と驚きです。

実は、書店の干し野菜本の横にあった、『かんたん干物づくり』というアジの開きが表紙の本も気になっていた私……。そういえば、ある料理好きな陶芸家さんのエッセイに、「肉は庭先で数時間干してから焼いて食べると、驚くほど野性味が増してうまくなる」とも書いてあったことも思い出した。「干す」というのは古くて新しい、究極の調理法なのかもしれませんね!?
(まめこ)
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