毎日大量に届く迷惑メール。それにしても不思議なのは、自分は女なのに、なぜ「女性から男性宛てに送ったメール」ばかり送られてくるのかということだ。


たとえば、「忙しいOLが割り切ったお付き合い~」「社長婦人・女社長など本物のお金持ちがあなたをご指名です」「奥様たちの欲求不満を~」「ピチピチの人妻が~」「ネカフェGALをお届けします」などなど。
なかには、「△△様より●●の送金依頼を承りました」「○子といいます」などの名前入り、「55歳未亡人の私でも女として見てもらえますか」「いま会える?」「メールくれました?」「女であることを思い出させてください」などの問いかけ調のものもある。

出会い系などのサイトを見ることも、もちろん登録することも全くないのに、なぜ「男」宛てのメールばかり来るのか。調べてみると、自分と同様に「女なのに、男宛ての迷惑メールばかり来る」という人はかなりいるよう。

あるITコンサルタントに聞いてみると……。
「電子メールは相手がわからなくても、不特定多数に出せるのですが、届いた人が該当している場合には『狙われている』と感じることもあるかもしれません。ブログやSNSなどでアドレスを公開したり、何らかの業者にアドレスが渡った可能性もありますが……。短いメールアドレスを使ってませんか。こういう迷惑メールは、ソフトを使ってメールアドレスを適当に自動生成して不特定多数の人に大量に送りつけているので、たまたまひっかかっているんだと思います。別にどこかから“男”と認識されているわけではなく、男性をターゲットにした出会い系サイトがもともと多いんだと思いますよ」

さらに、財団法人インターネット協会の担当者からは、こんな回答をいただいた。
「迷惑メール発信事業者はメールアドレスを大量に作成し、そのアドレスが存在するしないにかかわらず、送りつけます。また、ウェブに掲載されている問い合わせアドレス等を拾って、送りつけることもあります。
出会い系を利用しなくても、閲覧していなくても、全く無関係です。受信するのは男女ほぼ同数と思われますが、男性の方が、女性の誘惑に弱い、素直で騙されやすい、ということなのでしょうか。他は思いつきません」

ところで、こうした迷惑メールについては、迷惑メール相談センターなどに情報提供をするという方法が勧められている。他に注意しなければいけないことは?
「苦情などの返信メールを送ることや、『受信拒否』『登録解除』など、メール送信をストップしてもらうリンクをクリックすることはやめましょう。これらをすることによって、メールアドレスが実際に存在するということを相手に知らせてしまうので、解除どころかどんどん増えてしまいます」(ITコンサルタント)

別に自分が「男」とどこかで認識されているわけではなく、単に男をターゲットにした出会い系迷惑メールが多いだけのようなので、決して「男じゃないです!」などと返信してはいけないわけです。
(田幸和歌子)
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