この夏にオープンして話題となっている、富士急ハイランドのジェットコースター。
もう乗ったよ! という方にも、これから乗りたいと思っている方にも、あまり興味がない!? という方にも、この夏注目の「高飛車」を紹介したい。

今回は、富士急ハイランドまで足を運び、取材を敢行。アテンドしてくれたのは、広報を務める早川さん。

■ジェットコースターの面白さが凝縮

高飛車を体験して、感じることは、完成度の高さ。
高飛車の乗車時間は、およそ160秒。その160秒間には、ストーリーがあり、ジェットコースターでストレス発散をするというよりも、感動を覚える。その秘密はどこにあるのか。
「ジェットコースターの面白さを凝縮したコースター」と、広報の早川さんは語る。

例えば、ジェットコースターは、そもそも、加速を行い、そのエネルギーを利用して落としていくものであるが、加速には、リニア方式と巻き上げ方式の2つを採用。この両方の加速方式を採用しているジェットコースターは、日本では、まだ高飛車だけ。さらに、暗闇の中での走行や7箇所もあるひねり(回転)など、たくさんの仕掛けが用意されている。

「ジェットコースターは乗っている時間は短いですが、その中でも面白さを感じられるのはストーリーとか起承転結を感じられることだと思います」と、広報の早川さん。乗ってみても、納得の行く内容となっている。

(※この先はネタバレになってしまうので、続きは現地で!)

■ギネス世界記録を保持している“最大落下角度121度”は、なぜ“121度”なの?

富士急ハイランドのジェットコースターはとにかく“個性”が強い。
大型コースターを導入する度に、必ずギネス世界記録を獲得しており、今回は、“最大落下角度121度”でギネス世界記録に認定された。もともと、ジェットコースターの最大落下角度のギネス記録は、112度であった。これよりも上を目指さなければならないという命題はそもそもあった。

では、なぜ“121度”になったのだろうか。これについては、以下の回答が得られた。


「とにかく、112度を少しでも大きく上回ることを目指しました。ただ、いくらでも大きくできるわけではありません。身体にかかるGがどれくらいなのかという検証や、全体のコースレイアウトを加味しながら最終的に121度という角度になりました」(広報・早川さん)

そもそも世の中に全く同じジェットコースターは絶対に存在しない、ということにも由来するようだ。たとえ、平らな更地であっても、高低差や土地の形状は千差万別であり、ジェットコースターはそれぞれその土地に合わせて作る。
今回の場合は、角度によって速度も変わるため、角度の決定がその後のコースレイアウトにも影響するのだ。したがって、その速度や角度、長さなどの要素をパズルのように組み立て、最終的設計を完成させたということらしい。
そうやって、あらゆる要素によって決まったのが、今回の“121度”ということだ。

121度である理由も、この場所だから。ジェットコースターは必ず“唯一無二”であるのだ。

富士急ハイランドでは、5年に1回、30億円クラスの大型投資を行い、コースターを開発している。「高飛車」が出来上がったことで、「FUJIYAMA」「ドドンパ」「ええじゃないか」と合わせて4大コースターが完成。コースターの魅力が凝縮されている高飛車に乗れば、富士急ハイランドの歴史を感じることができるかもしれません。


高飛車に乗るためだけでも、富士急ハイランドへ行く価値があると言えるかも!?
(ナナ)