7月24日にアナログ放送が、東北3県をのぞいて終了した。映らなくなったアナログテレビの処分に困っている方が、筆者のまわりにもかなり多い。

家電リサイクル法では、不要なテレビを捨てるには、持ち主がリサイクル料を払うものと決められている。さらに実際に捨てるには、運搬料金も必要。テレビを捨てたいだけなのに、数千円も取られてしまうのは無念。できるだけ安く処分する方法はないものか、と考えるのは人情というものだろう。

町中を回る廃品回収業者の多くが、「テレビなどを無料で引き取る」とスピーカーで流しているが、信用できるものか、不安をお持ちの人も多いだろう。
実は筆者は、廃品回収のアルバイトをしていたことがある。
内幕をご紹介すると、テレビの無料引き取りはほとんどの場合本当だ。リサイクルして海外に売る業者がいるので、無料で引き取っても大丈夫なのだ。
ただ、すべてが無料ではないので注意が必要。21インチ以上のテレビは、多くの業者がリサイクル料をとる。大型テレビは輸出できないため、リサイクルできないからだ。

多くの業者で、回収要員の賃金は出来高制だ。
たくさんお金をとれば、自分の賃金も増える。この道数十年というお爺ちゃん回収員に聞いたところでは、10年くらい前までは、1日回ると2万~3万円稼げるおいしい仕事だったのだとか。
最近はあまりもうからないこともあって、リサイクル料がかかる大型テレビについては特に「とりあえず取れそうな金額を言ってしまえ」という風潮があるのは事実。運賃も合わせて、「数万円」などと言い出すケースもある。

心配な方におすすめなのが、持ち込みでの処分だ。近所なら車で持ち込めるし、宅配便での送付を受け付けてくれる業者も多い。
インターネットでも探せるので、よい業者の見分け方をお教えしよう。

1. 古物商許可証番を公開している(取得していない業者は意外に多い)
2. 取り扱えないテレビについても明記している
3. 持ち込み方法について、わかりやすく解説している

最後に、廃品回収業者を利用する裏技を。彼らにとって儲かる廃品と一緒に出せば、交渉次第でかなりのものを無料で引き取ってくれる。一番のおすすめは不要になったバイク。走らなくなったバイクでもOK。
アルミホイールなど、金属製品も大量にあれば価値が高い。

こういった「引き取ればけっこう利益が出るもの」とのバーターとして交渉すれば、無料でテレビくらいはもっていってくれることが多い。
(谷垣吉彦/studio woofoo)