「マヨラー」という言葉があるのは、知っている。何にでもマヨネーズをかける。
すると、その時点であらゆる食べ物が大好きな味になってしまう。そんな舌の持ち主を指した、総称のことである。
私に関して言うと、そこまでマヨネーズは好物ではない。では、他に何があるんだろうな? 「これさえあれば、もう何でも食べられちゃう」みたいな調味料が。塩でもないし、ソースでもないし、ドレッシングでもないし……。

そこで発見した、すこぶるゴキゲンな逸品。鳥取市の「鳥取カレー研究所」が昨年の11月10日より発売しているのは、その名も『ゴールデンケチャップ』である。
これは、カレースパイスの入ったドイツ発祥のトマトソース。十年かけた、プロ目利きの独自の厳選スパイスで絶妙の風味を実現しているそうだ。

ところで、ここで一つの素朴な疑問が。どうして、鳥取で“カレー”なのか。何か、ゆかりがある?
「平成16~19年まで、カレールウの消費量(総務省統計局の家計調査)の全国一位は鳥取県でした」(鳥取カレー研究所・池本代表)

その結果を受け、平成17年に「鳥取カレー倶楽部」なる市民団体を結成した池本さん。
まず同団体では、各家庭のカレーを募った“カレーコンテスト”を開催。結果、1位に輝いたカレーをルーにして商品化しようと考えていた。
「でも、どうやら会社組織でないと商品を発表できないようなんです」(鳥取カレー研究所・池本代表)

そこで、池本さんは同団体の会長職を退く。「鳥取カレー研究所」を、会社として起ち上げるためである。
「研究所ができたからには、カレーにまつわる色々な商品を作りたいと思いました」(鳥取カレー研究所・池本代表)
そこで着目したのは、ドイツでは一般的な調味料である“カレーケチャップ”。しかし、ドイツで流通している物は甘ったるかったり辛すぎたり、日本人の繊細な舌に合うようなクオリティではなかった。そこで同研究所は、独自のカレーケチャップ製作に着手! トマト、タマネギ、ショウガ、ニンニクなど全て鳥取産を使用し、新感覚の『ゴールデンケチャップ』を完成させた。

ところでこのカレーケチャップは、具体的にどんな味がするのだろう?
「ヨーグルトも入れておりますので、甘味や爽やかな酸味があります。そこに香辛料の辛みが絶妙に絡み合っております」(鳥取カレー研究所・池本代表)
う~ん、言葉で言われても想像がつきにくい。何しろ、新感覚のソースなのだ。というわけで、実際に取り寄せて試してみました!

ちなみに、同研究所による『ゴールデンケチャップ』オススメの用途は「とんかつ、フライドポテトなどの揚げ物」、「ソーセージやウインナーに」、「おでん(大根やこんにゃく、厚揚げ豆腐など)に」、「ピザソース代わりに」などなど。
そこで、私はウインナーを行ってみたいと思います。
丁度ビールが飲みたかっただけに、そのおつまみとして……。

まず瓶のふたを開けると、カレーのいい匂いが! 何日か置いて、いい感じにとろみというか粘り気の出てきたベストコンディションのカレーみたいだ。もう、これだけを食べてても満足な気がする。
が、ここは一つウインナーで試してみよう。では、このソースをウインナーにかけて、いただきます!

……おぉ、至極フルーティ。これは、トマトの酸味だな。そして遅れてノドに響くのが、心地良いカレーのテイスト。食べる前は「カレーの味で、全てを上書いてしまうんだろう」とタカをくくっていたが、とんでもない! ウインナーのお肉の味が引き立ち、すごくジューシーに感じる。食べやすい。そしてソース自体もカレー風味はしつつ、トマトの酸っぱさが間口を広げる効果を担っている。何にでも合う。トゥーマッチじゃない。

「他にも、このソースをスープに濾してトマト鍋にしたり、焼き魚につけて大根おろし代わりにしたり、総合調味料として皆様にお使いいただいているようです」(鳥取カレー研究所・池本代表)

そんな『ゴールデンケチャップ』は、鳥取県内の「道の駅」や鳥取「大丸」の物産コーナー、鳥取駅構内の「鳥取中浦」、JA鳥取の直販店「わったいな」等で販売されているという。価格は630円(税込み)。問い合わせは「鳥取カレー研究所」(TEL:0857‐27‐5654)で受付中。

辛さもキツくないし、大人も子供も絶対好きな味だと保証します! 何しろ、カレー。みんな大好き。
総合調味料とは、言い得て妙だな。
(寺西ジャジューカ)
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