しかし、そういうのが無いお店もある。メニュー表には写真と代金が記されているので、美味しそうな事といくら必要なのかはよ~くわかる。でも、この料理を食べるとどの位のカロリーになってしまうのか? それが書いてないだなんて。ダイエッターには、最大の重要案件だというのに……。
そこで、このサービスをご紹介したい。株式会社ウィットが運営する健康管理・ダイエットサイト「あすけん」では、3月21日よりある実証実験を行っている。
これは、ソニーが開発中の「食事写真自動判別技術」を応用したもの。食べる前のメニュー全体の写真をスマートフォンなどで撮影し、その画像をサイトに送信。すると、それらのメニューの名前とカロリー(個別のカロリーとメニュー全体のカロリー)を示してくれるというのだ。
しかし、凄い技術だな。では、どうしてこのようなことが可能となっているのか。ザックリとご説明させていただきたい。
1.写真中に写っている物体の色や形状などの情報を利用し、写真中から料理が写っている領域を検出する
2.検出した料理の領域ごとに、様々な料理を学習した人工知能(AI)技術を利用して、その料理のカテゴリーを推定する
以上が、ソニーによる技術。それを受けた株式会社ウィットが、推定された料理内容をあすけんのメニューデータベースと照合し、カロリーを始めとする料理の栄養価を算出。続けて、算出された栄養価を基にした栄養士による食生活改善アドバイスを提示するなど、ユーザーの健康増進やダイエットをサポートしてくれるとのこと。
例えば定食をオーダーして、それを食べる前にスマフォで撮影。そして、サイトに送信。すると数秒後、サイトに「ごはん」、「味噌汁」、「サケの塩焼き」、「ほうれん草のお浸し」といったメニュー名が表示される。そして、定食の合計カロリーとメニュー個々のカロリーが全て出て来るというわけだ。
ただ揚げ足を取るわけではないのだが、ちょっとした疑問が少しだけ……。例えば、同じ味噌汁でもカロリーの高いものと低いものがあるはず。そういった差は判別できるのだろうか?
「今はできていません。平均的な味噌汁のカロリーを判別結果として利用しています。
ちなみに、このサービスで判別できる料理はまだ数が限られている。
「現在は、ごはん・味噌汁、カレー、牛乳などの分類レベルで20種類程度です。開発中なので、具体的な種類の数・中身は随時変動しています」(ソニー担当者)
同社では利用頻度の高いメニューから取り組んでおり、今回の実証実験などを通じて増やしていこうと考えている。
そんなこのサービス、現在はどの辺りの年齢層が主に利用しているのか?
「あすけんのユーザーの8割が女性で、年齢は25歳~45歳がボリュームゾーンとなります。食事写真判別のサービスについてもあすけんのユーザーが対象ですので、利用層は同じ層になります。ですが、この技術を活用することにより食事の記録がより簡単になるため、男性の利用も今まで以上に増えるのではないかと予測しています」(株式会社ウィット・担当者)
やはり、同サイトのユーザーのほぼ全員がダイエットを目的としているそう。そして、それは今回の「食事写真自動判別技術」も同様になるだろうか。う~ん、活用したい!
でも、どう参加すればよい?
「現在は、実証実験第一弾としてあすけんをご利用のユーザーさんから協力者を募集し、限定で機能を公開しています。今後、判別精度や反響等を確認しながら、追加で実証実験を行っていく予定です」(株式会社ウィット)
将来的にこの技術が間違いのないものとなれば、我々も気軽に活用できることとなるだろう。楽しみじゃないか。
実はこのように食事の写真から料理内容を自動的に判別できるサイトは、国内では「あすけん」が初めてだという。本格化すれば、多くの人が食事管理を飽きずに継続していくようになるかもしれない。
「ネット上にマンツーマンの栄養士が現れた」。この技術を紹介するとすれば、そんな表現が適当でしょうか?
(寺西ジャジューカ)