ここ数年、同僚や友人で自家製ビール醸造を趣味にする人が増えている。
最近それがシカゴだけではなく実は全米で自家醸造ブームになっているらしいのだ。


簡単に作れる「キット」が手に入りやすくなり「地酒」をサポートするのもいいけど、自分で作っちゃえ! というのが始まり、と同僚は言うが、彼らはもともと呑んべいで大のビール好き。
ビール好きが高じてビール作りまでしてしまっている、というのが本音だと思う。

ビール好きのアメリカ人セレブ?と言えば、オバマ大統領が一番に思いつくが、そんな彼もビール好きが高じてとうとう彼自身もホワイトハウスで自家醸造していた。その名も「ホワイトハウス・ハニーエール」。レシピまで公開される人気ぶりだ。

彼も地元シカゴの地ビールを各メディアを通じてサポートしていた一人だったのだが、やはり自分の好きな自分で作った自分のビール、ということなのだろう。


このホワイトハウスのレシピを機に全米醸造ブームに加速がつくと予想されるが、すでにシカゴ市内の数あるビール醸造教室はいつも定員オーバーでウエイティングリスト。
醸造専門店も出現して、材料や道具一式ビール作りのニーズに応えている状態だ。

今年のクリスマスにも何人もの人から自家醸造ビールやワインをプレゼントとして貰うことになるのだろうか。ちょっと楽しみでもある。みんなそれぞれが「自分のビール」や「我ワイン」に自信を持ち、プレゼント用に瓶に注ぐ姿を想像すると、微笑ましくさえ思える。

クラフター同士の「ビール・スワップ」パーティーなるものも増えているらしいが、素人の自家製品とはいえ、良きビールを作るため向上精神溢れている人が多そうな雰囲気だ。


ラベルも凝っていて開けるのが勿体ない!なんて思うのも多い。
しかし、殆どの同僚が「飲み終わったらボトル返してね」となる。瓶は箱買いで重く、ある程度の数のビール瓶を集めるのが大変なことらしい。 当然殺菌消毒は必須だろうが「どっちにしろリサイクルするんだから同じじゃん」と。

でも、ラベルまでちゃんと貼ってプレゼント用としてくれたのに「ボトルじゃなくてなかみ、なか!だよあげるのは」となるのは、同僚達だけなのだろうか。

2010年ワールドカップの米国VS英国の試合結果が引き分けとなった際、キャメロン英元首相とオバマ大統領が、お互いにお気に入りのビール交換をしたと言われているが、その時のビールは地元シカゴの「グースアイランド・312」だった。
312はシカゴの市内電話番号の頭ナンバー。
地ビールもいいけど、なんたって自家ビールなんでしょうね、オバマさん?
(シカゴ/あらた)