海外生活中にお世話になることもある病院、そしてナース。白衣の天使とも言われるナースにもお国柄が出るようだ。


■ ナイチンゲールの国のナース

イギリスでは、ホームドクター(かかりつけ医を登録し、いつも同じ医者にみてもらう)制度が整っており、病院よりもホームドクターと一緒に仕事をしているナースの方が評判が良い。かかりつけ医だからか、ドクターともどもアットホームな雰囲気で、病気だけでなく生活習慣にいたるアドバイスをくれるなどフレンドリーに話をしてくれるのだ。そのためドクターとナースの距離が近く感じる患者も少なくない。

そんな雰囲気作りの一環か、何か検査をしても「大丈夫よ!」「結果はきっとクリアーよ」というナースの声かけで、検査結果を待つ間気持ちがかなり楽になったと在住の友人。私自身、イギリスで初めて婦人科の検査をした時、ドクター問診よりナースの説明の方が印象に残っている。自ら「こんなポーズよ」とモデルになってくれて、親しみやすい看護師であることへの徹底を感じた。
ナイチンゲールの精神が通じているのかも。

■ ラテンの国のナースいろいろ

ラテンのルーマニアやイタリアでも、検査結果については「大丈夫、問題ないと思う!」と自信たっぷりに言われることが多い。あれこれ考えすぎても仕方が無い、ならば今は考えない!それで患者も不安にならないなら、これもナーステクニック!

ルーマニア:ナースや女医さんもだが白衣はミニスカートが多い。さすがに手術室ではないけれど、派手なピアスをしていたり、額にサングラスをひっかけセクシーだったり。このような風紀を気にするのは私が日本人だからなのか…まぁ手際が良いなら良しとしよう。
また、白衣のまま外来出入口付近で煙草を吸うナースも気になってしまったが、でもそんな時に患者さんと談笑する姿を見ると、それもありか。


イタリア:常に女性らしさを意識しているお国柄のイタリア。でも、仕事とプライベートときっぱり分けるスタイルが主流だからか、ナースの仕事ぶりはサバサバしているという印象。
淡々と仕事をこなすナースは素晴らしいのだけど、いつものおしゃべりなイタリア人はどこへ?
しかし、いつでもどこでも男性から声をかけられる機会が多いというのは病院も例外ではないこの国。患者をしつこくナンパするドクターを厳しく制止するナースの姿は、これぞ「苦悩する者のために戦う天使・ナイチンゲール」のお手本!?

■ やっぱりアフリカ時間! ガーナ&タンザニア

アフリカ駐在歴が長い友人に現地で働くナースの話を聞くと、イメージと異なり割としっかり対応しているとか。ただアフリカ時間ゆえか、ともかく物事がゆ~っくり進んでいき、諸々時間がかかる。仕事熱心というよりもマイペース。
患者が待っていても自分達のティータイムが優先、容態とは関係ない天気や家族の話が延々と続く。でも患者とのコミュニケーションをしっかり取り、それで患者が楽しめるなら問題はないのかも。次の予定を気にして待ち時間イライラしてしまう日本人より、その時間を楽しみリラックスする方が病気の回復も早いのかもしれない。

■ 医療・福祉先進国スウェーデン

スウェーデンで出産経験もある友人にも聞いてみた。するとさすがは福祉の国・スウェーデン! 出産の際、ナースたちは誰もが天使のように優しく、労わりほめちぎってくれたそう。友人のスウェーデン人に聞いてみても、ナースを希望する子はクラスでも笑顔がキュートな子だったとのこと。

病院も、日本の都内の有名病院を上回るような設備がある近代的な病院があったり、赤ちゃん教室などは助産婦さんの自宅で開催され親戚宅のようなアットホームなものもあったりと、色々な患者のニーズが満たされようになっているようだ。誰もが居心地良いと感じる病院作りも、ナースの笑顔を増やしているのかもしれない。

もちろん各国の一例ではあるけれど、お国柄がよく出ているナース事情。患者への接し方や看護に対する考え方も国それぞれなようだ。あなたの好みのナースはどの国?やっぱり日本がいい!?
(川上・L・れい子)

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