最近、子どもたちが砂遊びをする機会が減っているらしい。

砂遊びといえば、子どもが大好きな遊びのひとつ。
だが、大人にとっては意外に面倒なことも多い。汚れた手足を洗ったり、泥だらけの服を洗濯したり……。そもそも暑い夏や寒い冬には公園に行くのも大変だ。

先ごろ、株式会社ボーネルンドが1~5歳の子どもを持つ全国の母親を対象におこなった調査によれば、砂遊びの頻度が「週に1 日未満」という人が43.4%と半数近くにのぼり、砂遊びをまったく「しない」と答えた母親が8.3%もいた。「子どもに砂遊びをさせたい」と思っている母親が全体の71.5%を占めているにもかかわらず、である。

砂遊びで困っていることや、砂遊びをさせたくない理由としては、「衛生的に不安」や「手足や服が汚れる」といった声が多く、「放射能が心配」という人もチラホラ。
そもそも「砂遊びできる場所がない」という人も少なくなかった。

とはいえ、砂遊びは子どもの創造性を引き出したり、手先の器用さを高めたり、科学的な関心を呼び起こすなど、子どもの成長に欠かせない遊びでもある。

そんな砂遊びをもっと気軽に体験できるのが、スウェーデン生まれの砂遊び玩具「ダンシング・サンド」だ。

ユニークなのがその手触り。見た目は乾いた砂のようだが、触るとしっとり湿った感じ。水を使わずにいろいろな形を作れるので、粘土にも似ている。
私も実際に触ってみたのだが、ヒンヤリとやわらかな感触が気持ちよく、座り込んでしばらく遊んでしまったほど。子どもなら、確実にやみつきになると思う。

なんとも不思議なこの素材。正体はなんなのだろうか?
「98%がスウェーデンの砂(石英)、残り2%はシリコン樹脂です。粒子の細かいスウェーデンの天然の砂にシリコンコーティングを施すことで、独特の手触りが実現しています」
と教えてくれたのは、商品を販売するボーネルンドの担当者。湿ったような状態は半永久的に続くという。


先月、代官山でおこなわれた展示会で国内初公開したところ、大反響だったそうで、
「子どもたちはあの感触を楽しんでくれているようで、飽きずに長い間遊んでくれました。型抜きを楽しんでいる子どもも多かったです」
大人たちもおもしろいと感じたようで、「雨で外に出られないときのストレス発散によいかも」、「ベランダに置きたい」、「あまり手に付かず汚れなくてよい」といった声が出ていたそう。

一般家庭への発売は8月からを予定。価格は2.5kgのスターターキットが¥3,990。
「室内での砂遊びを推奨するというよりも、多くの人に衛生面や天候を気にせず、砂遊びの醍醐味を気軽に味わっていただきたいという思いで発売します」
すでにヨーロッパでは幼稚園の教室内に「サンドボックス」が取り入れられ、室内で砂遊びができるところも多いという。

なんとも不思議な新触感、ぜひ親子で体感してみては。

(古屋江美子)