例えば、ご存知でしょうか? 靴の中に10円玉を数枚入れておくと、中の臭いが取れやすくなるらしいのです。
そして、これはご存知ですか? いや、なかなか知らないだろうなぁ。ヒトデがカラスを撃退する効果を持ってるってことを……。
まず、その詳細についてご説明しましょう。ヒトデには、「サポニン」という紫外線を反射する成分が含まれているとのこと。一方、カラスは人間の5倍の視力を持っているという。要するに「サポニン」が反射する紫外線を嫌がり、カラスは近付いて来ないという考え方です。
この原理に注目した「HRRevolution」(岡山県)は、ヒトデを様々な商品に活用している。ゴミ袋だったり果物の保護袋だったり、ゴルフ場のカートだったり……。
「サポニン」を含んだインクをそれらに塗れば、カラスはバッサリ寄ってこない。早朝のゴミ置き場に群れるカラス、果物をついばみにやって来るカラス、ゴルフプレイヤーの持ち物をくわえて持ってっちゃうカラス、全てシャットアウトしてしまう!
しかしこんなミラクル効果、どうやって発見したのだろう?
「ホタテを海で育てていると、それを狙ってヒトデが寄ってくるんです。するとヒトデの水揚げ量は、年間で1万数千トンにも達します。
そして古里社長は、ふと思い出した。海近辺の町では汲み取り式トイレにヒトデを投入し、消臭や防虫に活用している。これ、昔からの有意義な活用法だそうなんです。
「ゴミ置き場の臭いもスゴいので、近くにヒトデを置いてみました。すると、なぜかカラスが寄って来ないんです。実験して原因を追究し、ようやくサポニンの効果に気付きました」(古里社長)
カラスは、紫外線に敏感だそうだ。何しろ、オスとメスの違いを紫外線頼りで判別しているくらいだから。しかもサポニンがカラスの視界に入ると、人間が太陽を見つめる5倍眩しいという。めっちゃ眩しいじゃないですか、それ!
という事は、こういう事だ。カラスが案山子に慣れるのは、もうお馴染みですよね。人間じゃないと学習してしまうから。
また同社は、ヒトデエキス(サポニン)を含んだインクの開発にも成功している。だからこそゴミ袋以外の、様々な商品への活用も可能となった。
「ゴミ袋に関して言えば、通常のものとあまり変わらない価格設定にしたいと考えています」(古里社長)
何度も言うが、インクは既に開発済み。後は、何処とコラボするかが問題なのです。地域の指定ごみ袋として展開するならば市町村と、カートだったらゴルフ場と、他にも果樹保護袋の業者等、様々な分野で他者と手を取り合っていきたい。
「地域によって、カラスに困るシチュエーションはそれぞれ異なると思うんですね。そんなお悩みを持つ企業さんと協力し合えたらと思います」(古里社長)
ヒトデにそんな効果があるなんて初めて知ったし、「サポニン」なんて成分も初耳だし、今回の取材は勉強になりました。今度は、その実用性を体験させてください!
(寺西ジャジューカ)