子供の数より、犬・猫の頭数が多いほどのペット大国、日本。しかし、アパートや賃貸マンションはいまだにペット不可の物件が圧倒的に多い。


とはいえ、ときには例外もある。以前、「賃貸物件のペット不可ってどこまで?」という記事にも書いたように、インコ・ハムスター・カメ・金魚あたりは、オーナーや管理会社に相談するとまれにOKが出ることがあるようだ。

だが、そういう物件で小さなペットを飼った場合、悩ましいのは別れのときだ。ハムスターなどの小さなペットは自宅の庭に埋めるという人も多いが、賃貸アパートやマンション住まいなら、どうしたらよいのか?

最近はペット葬儀ビジネスも広がり、ペットの火葬や供養をしてくれる霊園なども増えてきたので、そうしたところを利用するのも1つの方法だろう。犬や猫のみならず、ハムスターやリス、小鳥なども対象にしているところが多く、利用者も少なくない。料金は火葬方法や動物の種類にもよるが、1万円前後~。


自治体でもペットの死体を引き取っているところがある。法律上では動物の死体は廃棄物になるため、ゴミと一緒に焼却処分されるケースもあるが、専門業者に委託したり、ペット専用の焼却炉を備える自治体も出てきた。基本的に有料だが1,000~3,000円前後と比較的安い。

引き取りをおこなっているいくつかの自治体に問い合わせたところ、持ち込まれるペットとしては、犬や猫のほかに、ハムスターやウサギ、小鳥、カメなどが一般的。ある地方自治体では、キツネやタヌキが持ち込まれたこともあったとか(!)。ただ、さすがにハムスターより小さいもの、たとえば、金魚やカブトムシを持ち込んだという例は、問い合わせた範囲では聞かなかった。


実際にカブトムシを飼ったことがある人に、カブトムシが死んだときにどうしたかを聞いてみると、近所の公園や街路樹の植え込み、あとはマンションの庭のようなところに埋めたという声もチラホラ。だが、本来は自分の土地でないところに埋めるのは問題。ゴミとして出すのが忍びないのであれば、カブトムシなら標本にするのも一案だ。

金魚についてはどうか。近所のペットショップに聞いてみると、
「新聞などに包んでゴミに出すのがよいと思います。思い入れが強いようでしたら、専門の業者に供養を依頼するのもよいかと。
ただ、公園や河原にもっていくのは、適当ではないですね」
探せば熱帯魚や金魚の供養をしてくれる業者もある。

気軽に飼いやすい小さなペットだが、それだけに亡くなったときのことまでしっかり考えてから飼い始めるようにしたい。
(古屋江美子)