以前こんな記事「パンケーキとホットケーキ、その違いって?」を、書いたことがある。そのとき、世の中はホットケーキブームだった。
一時的なブームかと思いきや、ホットケーキ熱はまだまだ収束しそうもない。そんな中、最近よく耳にするのが、厚焼きのホットケーキだ。

このたび、コネタが10周年を迎えたということで、このホットケーキについてもう一度探ってみようと思う。

各地で5センチや8センチなど、厚切りホットケーキが大人気。普通のホットケーキより焼き時間が長いこともあり、行列ができる店も珍しくないという。そんなに美味しいなら自分で作ってみようかと、厚焼きホットケーキレシピもはやっているそうだ。
しかし、厚くて本当にホットケーキといえるのかと、薄焼きファンは思うだろう。

そこで、ホットケーキミックスで有名な森永さんに、ミックス粉での”ホットケーキ理想の厚み”というのを聞いてみた。
「ホットケーキミックスの焼き上がりの厚みについてですが、温度の安定する鉄板で焼いた場合、平均的な厚さは2~3センチでございます」

実は市販ミックス粉の理想の厚みは3センチが限界なのだそう。その理由とは?
「これより厚く仕上がった場合は、混ぜ方が足りないために、粉残りや生焼け・焦げ付きなど味の面で劣ることが多いのです。そこで、美味しさの面から考えても2~3センチがベストなのです」
厚くなれば厚くなるほど、生焼け&外焦げのリスクがつきまとうというわけだ。

そこで、厚焼きのホットケーキを出すお店に、美味しい厚焼き方法を聞いてみた。

まず簡単に作るには「卵をしっかり泡立ててスフレ状態にすると、簡単に厚めに仕上がりますよ。もちろん普通のホットケーキミックス粉でも作ることはできますが、どちらにせよ、限界まで弱火でじっくり時間をかけて焼くことです。生焼けが不安な場合は、最後にレンジやオーブンで温めて」
ホットケーキミックス粉で作る際には、牛乳だけでなくヨーグルトなどを混ぜるのもおすすめだとか。理由は、
「ヨーグルトが入ることでサッパリとして、飽きが来ないんです」
美味しいホットケーキでも、あの厚みでずっしり感があると飽きてしまうというわけだ。厚いのは厚いので、いろいろな悩みがつきまとうのである。

それと厚焼きでおすすめはクランペット、と呼ばれるイギリス版ホットケーキ。
普通、ホットケーキは薄力粉と卵、ベーキングパウダーで作るが、これは強力粉とドライイーストを混ぜて、発酵して作られる。つまりは簡単なパンなのだが、塩味で、食感はモチモチ。固めに仕上がるので、厚く作るのも簡単だ。最近話題で、取り扱うお店も増えているのだそう。

今後のホットケーキ論争は厚み問題が終結すれば、モチモチVSふわふわの食感対決となるのかもしれない。

厚くても薄くても、どちらにせよ美味しいホットケーキ。
長い夏が終わって、ちょっと肌寒いこの時期。あったかいコーヒーとホットケーキの組み合わせは最高だ。

厚いホットケーキを簡単に作る方法は、高さのあるセルクル型(無い場合は牛乳パックを切って輪にして代用)に生地を流し込んで作ること。こうすると、ボリューム10センチのホットケーキの完成。
食欲の秋の時期に10年目を迎えたコネタ。ということで、こんなホットケーキでお祝いを。
おめでとうございます!
(のなかなおみ)