写真を見て一言。

「……なんじゃこりゃ!?」

としか言いようのない珍メニューを次から次へと生み出しているのが、「クックパッド」でレシピを公開している、としきんさん。
鮭の頭とイクラをのせた『給料日後の親子丼』、オムレツをかけそばにドーンとトッピングした『オムそば』など、ボリュームも見た目も食材の組み合わせも過剰な“だじゃレシピ”は、2012年にコネタで紹介した際にも(ある筋の)熱い注目を集めることとなった。

その後考案したレシピ群も、“ほんのりクレイジー”から“ほぼクレイジー”レベルへと順調にコマを進めているようなので、今回改めてご本人にお話をうかがうことに。前回掲載時にはネットでレシピ画像が出回るなどかなり話題を集めていたのだが、その後の反響は……?
「前回の反応はスゴかったですよ。ただ、スマホとかもあまりさわる方じゃないんで、クックパッドで自分のレシピのアクセス数や読者数が急に増えたりしたら、どっかで話題になってるのかなぁ? って思うくらいですね。モチロン注目していただけることは嬉しいですが、あまりまわりに流されず、自由に楽しんで作るということをこれからも大事にしていきたいです」

ちなみに最近の自信作は、写真を見ていただければ説明不要であろう『給料日後の海鮮丼』
「鮮魚部(※としきんさんはスーパーに勤務)の子がなんか変わった魚をおろしてるなぁと思って見たら、シイラという魚でした。
そのグロテスクで可愛いらしいビジュアルに一目惚れ! 早速、買って帰り丼に本能的にのせちゃいました! やっぱり魚頭シリーズが自身のテンションも上がりますし、まわりの反響も大きいですね。(作った感想を報告する)“つくれぽ”は来ないだろうけど……」

さすが、一目惚れするポイントが常人のナナメ上を行ってます! おそらくどこの外国の人が見ても「これは料理ですか?」とツッコむであろうこのド迫力メニュー。
ちなみに、“給料日前の○○”“給料日後の○○”と題した給料日ビフォーアフターシリーズ(仮)に最近は“ボーナス後の○○”も加わり、さらにエクストリームなメニューが登場している。
「“ボーナス後~”はオマケです。でもボーナスが出ない会社もある中で、それをいただけているというのはとてもありがたいこと。その喜びもレシピにしなければ! と思って始めました。
“給料日後~”よりちょっとだけ豪華にするのがポイントです。給料日がある限りこのシリーズを細く永く続けたいですね。演歌歌手のように(笑)」

そしてクックパッドには「ごはん日記」というブログコーナーがあるのだが、こちらにはとしきんさんお勤めのスーパーの商品&手描きPOPの写真がたびたび登場。“アナ雪”パンには「少しも高くないわ」、『妖怪ウォッチ』のお菓子には「何か用かい?」。ちなみに添えられたジバニャンのイラストはなんていうのか……かなり似てない。
「撮影は休憩中なんかにコソコソと。
あのPOPは実際に商品と共に売り場に陳列したりしてるんですが、お客様の反応もレシピと同様、賛否両論で、言われるのは“おもしろい”か“ふざけてる”のどちらかです(笑)。でも買い物ってやっぱり楽しくしたいと思いません? 『他の店じゃ買い物した気がせぇへんわ』って言われるくらい個性的でクセのある店を目指したいですね」

前回の記事では“冷蔵庫に入った鮭の頭を見た奥さんが腰を抜かした”というウラ話もあったのだが、現在のご家族の反応はというと、
「特に応援してくれることもなければやめろとも言いません。相変わらず無関心(泣)。妻なんかは家の食材を勝手に使われなければいいと思っている程度じゃないでしょうか」
とのこと。切ない……。

としきんさんのレシピを見るたびに思う素朴な疑問が、鯛のおかしらや丸々一匹のタコなど、アクセントにしている食材をその後どうやって処理しているのか?ということ。

「鯛のおかしらは大根と炊いて鯛大根にしたり、タコは家族でタコ焼き作って“タコパ”やってみたりと、リメイクしています。『この人食べ物で遊んでるのでは?』とのご意見もあるようですが、最後までしっかり食べてますよ。そこは意外とマジメなんです(笑)。その様子はごはん日記で“給料日後のその後”として紹介してますので、こちらも合わせてお楽しみ下さい」

そんな訳で若干食欲が迷子になるようなレシピをいろいろ紹介してもらったのだが、最後にこの夏おすすめのレシピを教えてもらった。

「夏バテに効きそうな納豆、オクラ、なめことネバモノ食材をどっさりのせた『ネバーエンディングスパゲッティ』ですね。“スタミナをつけネバ”と思う、この暑い時期にまさにピッタリ! 一応、まともな料理も作れるんですよ?」

これからもとしきんさんが期待に違わずほぼクレイジーなメニューを生み出してくれることを期待しつつ……われわれはまともな料理で夏を乗り切るとしますか。

(古知屋ジュン)