実は私、就職経験が無いんです。なのに、甥っ子や姪っ子が就職活動する年頃になってしまって……。
何か、助言できないものでしょうかね?
あっ、こんな私でも一つだけアドバイスできます。大喜利をトレーニングすると、就活に強くなるかもしれない。

ここで、ご紹介しましょう。「株式会社カケハシ スカイソリューションズ」は、2016年卒業予定の大学生・大学院生を対象に『ぶっとび就活の実験場 byミートボウル』(12月17~23日)を開催しています。
この「ミートボウル」とは、同社運営の「新しい就活スタイルを提案する」サイト。「麻雀」、「頭脳ゲーム」、「わらしべ長者」等を判断材料に優秀な人材を見いだし、企業が新規採用する……というスカウトイベントを過去に開催しています。
以前、コネタでも紹介しましたっけ。

そして今回は、新就活生に向けた“トレーニングの場”としてイベントを開催する模様。「グループディスカッション100本ノック」だったり、「頭脳ゲームの勝ち抜きバトルだったり」、“地球に巨大隕石が落下する”というシチュエーションで地球防衛隊員のあなたはどうするか? を考えるセッションだったり……。もう、多種多様なイベントが用意されていました。
中でも私が注目したのは、「大喜利採用」なるイベント。大喜利を通じ、就活の何たるかを伝えるトレーニングが開催されます。

興味深いので、私もお邪魔してきました。見学させてください!

さて、今回の講師を務める同社スタッフの福村さん、実は“元・よしもと芸人”だそうです。カケハシ スカイソリューションズが実施した「元芸人採用」なる試みにて就職を果たしたらしい。
……っていうかなんですか、その採用法は! やっぱり、大喜利とか漫談で選考が行われたのかしら?
しかも、見事に前歴のスキルが活かされてるじゃないですか。当日の大喜利のお題も、福村さんが全て考えたそうですよ。

本日用意された大喜利のお題は、全15個。
正解(いい回答)が出るまでは、同じお題が続きます。まさに、大喜利の地獄変! ハードですな……。そんなこんなで、大喜利がスタートします!

ちなみに今回、こんなお題たちが用意されています。
・「この半魚人は恋をしている」、そう思う理由は?
・「てへぺろ」みたいに言ってもひとつも可愛くない言葉は?
・小学生を震えさせる一言とは?
・上司に誘われた飲み会を豪快な理由で断ってください
・スーパー銭湯ならぬハイパー銭湯とは?
・新しい相撲の決まり手を考えてください
・視聴率40%の人気ドラマ『ヤンキー、ラーメン屋になる』、ありそうなシーンは?
まるでNSC(よしもと興行の養成所)の授業のようですが、このやり取りが就活に役立つのです。

例えば、率先して手を挙げる参加者がいれば、もちろん臆してしまう学生だっているでしょう。
「ヤバいです。
スベるの恐いです……」と前へ出れない参加者。しかし、福村さんが「今日スベっても、人生に何の影響もないから」と導けば、その学生も意を決して回答! この、吹っ切れる過程が大事なわけで。なぜなら、ここは本番(就活試験)に向けた訓練の場だから。失敗したっていいのよ。胸に秘めたアイデアがあるのなら、迷うより伝えた方が絶対にベターです。

そして大喜利後半戦は、選抜された成績優秀者5人による決勝戦が行われます。

・初対面の相手にやってもギリギリ許される行為とは?
・低評価が多すぎるユーチューバーの上げている動画とは?
・「住所不定無職」をかっこよく言い換えてください
等のお題が繰り出され、結果、とうとう優勝者が決定しましたよ! では、本日の覇者となった彼に話を聞いてみます。実際に体験してみて、吸収したことはありましたか?
「一生懸命、発表できるものは発表した方がいいんだろうな、ということがわかりました」
なるほど、身を持って獲得した成果ですな。

実は就活業界には、数々の“神話”が伝わっているそうです
「あるサービス業(『株式会社A』とする)の説明会が開かれ、そこに就活生がビールを持ってきた。当然、人事担当者が『なんでビール飲んでんだ、君は?』と聞くと、その学生は『株式会社Aに乾杯です!』って。結果、そのやり取りで第一選考を突破したという。その手の切り返しで、変な形で内定取ったって話は意外と聞きます」(福村さん)
すごいエピソードだな、それは……。
でも、どうやら実話らしい。

しかし、ただ言えばいいってもんじゃない。今回のイベントにて、就活生に伝えたかった真意は以下です。
「相手を知らずに笑いをとるのは難しい。だが相手を知り、自分を表現できた後で笑いをとることは難しくない」
「笑いをとれる学生=高度なコミュニケーションスキルがある=相手を知り、自分を表現できる力がある」
「柔軟なアイデアや発想は社会でも活きる。スベっても応え続けるタフさも活かせる。だが自分と価値観や世代が違う人とコミュニケーションをとることが多い社会では、今まで通りに笑いはとれない。笑いをとりに行く前に相手を知ることと自分を知ること。これは、就活においても同じ」

ちなみに同社、過去に本気で「大喜利採用」を実施しています。就活生が大喜利に参加し、その模様を企業の人事担当者が凝視。そして、見どころがある学生に声をかけて内定を出す……というあまりにも大胆な試みが。
「4~5社をお招きし、そこで大喜利を行いました。その時は、落研所属の学生も参加した“本気の大喜利”でした。見どころのある学生をチェック、後から『面接に来てくれ』と企業から連絡が行く、という内容です」
事実「株式会社カケハシ スカイソリューションズ」も、今年2月に開催した「大喜利採用」にて一人採用したそうです。

そのスタッフさんご本人も、今回の大喜利に特別参加してくれました。でもねぇ、なぜか不可解なほどスベってたんですよ……。エンジンがかからなかったか?
いや、ここは現役就活生のモチベーションの高さを褒めるべきでしょうかね。
(寺西ジャジューカ)