「そんなに考え事して、どうしたの?」と言われることがたまにある私ですが、別に考え事してません。ぼーっとしてただけです。

単なる集中力の欠如が原因なのですが、しかし振り返るとこれって大事なリセットの時間だった気がしてならない。空虚な時間で、私はリフレッシュされています。

……なんて事を考えてたら、この状態をイベント化する動きを発見。「涙活」プロデューサー・寺井広樹氏が、今度は「呆活(ぼうかつ)」なる活動を開始しているようなんです。
「涙活に参加される方で、最近増えてきたのはビジネスマンの男性。皆さん、仕事のストレスを発散させようと涙活に参加されます。
そんな忙しいビジネスマンには“ぼーっと過ごす時間”が必要かとも思うのですが、意図的にならないとそういう機会はなかなか作れません」(寺井氏)
この状況を受け、「イベント化してしまおう!」と寺井氏は決断したそうです。

非常に興味深い活動だけど、一体どんな風に行われているのか? というわけで、実際に呆活の様子を見に行ってまいりました! ……と言っても呆活単体のイベントは開催されておらず、涙活イベントの終盤に“呆活タイム”が設けられている模様。
「泣いたあと心地良い疲れのもと呆活を行うと、不思議とやる気がわいてきます。リラクゼーション効果が高まるうえ、アイデアやインスピレーションもより一層ひらめきやすくなります」(寺井氏)
「涙活と組み合わせることで、よりいっそうリラックスできる」が、寺井氏の導き出した結論でした。

さぁ、そろそろ“ぼーっと過ごす時間”がやってまいりましたよ。
あえて頭を空っぽにする時間を! ぼーっとする活動「呆活(ぼうかつ)」

ただ、ここで一つ注意点を。
呆活は、瞑想とは違います。目を閉じず、開けたままぼーっとすることが基本ルール。何も考えず、一点をぼーっと見ていただきたい。目を閉じると、余計なことを考えてしまったり眠ってしまう危険性がある。それはダメ、目を開けてぼーっとしてください。
「ぼーっとしてくると段々目の焦点が合わなくなり“ひどい顔”になっていきますが、人の視線を気にせず、口を半開きにし、ヨダレも垂らして、それくらい開放していただけると幸いでございます」(寺井氏)
泣き顔を見せ合ったあとなので、恥ずかしさはもはや皆無。
さらけ出して打ち解け合ったばかりなので、多少ひどい顔になってもそれはご愛嬌です。

じゃあ、始めましょうか。会場内の照明を落とし、音を無にして5分間。さぁ皆さん、率先してぼーっとしてください!

あえて頭を空っぽにする時間を! ぼーっとする活動「呆活(ぼうかつ)」


あらぁ、ぼーっとしてますねぇ。これぞ、呆活。「ぼーっとする時間」を意識的に作る活動なので、「ぼーっ活」とも呼べるかもしれません。


では、参加された方に感想を聞いてみましょうか。呆活を行った今、どういう心境ですか?
「『頭を空っぽにする』なんて普段考えたことがなかったので、とても新鮮です。ただ、こんなに難しいとは思わなかったですね(笑)。『考えない』ということを考えてしまう」(参加者)
なるほど、確かに。ぼーっとすることを“目指して”いるのだから、そこですでに意識的。意図的な無の状態って、すごく難しいかもしれません。

「そもそも『何も考えない』ということは瞑想や坐禅といった修行の場のテーマにもなるほどなので、難しいのは当然です。『何も考えないというのは、意外と難しい』とわかるだけでも意味があります」(寺井氏)

そんな「呆活」、当然これからも続いていきます。
「現代人は、電車に乗っていてもスマホにかじりついたり、ゲームをしたり、常に頭をフル回転させています。ぼーっとすることから遠ざかる一方ですよね。何の活動もせず、ただひたすら息をしているだけの時間。そんな贅沢な時間を、ときには持ちたいものです」(寺井氏)
寺井氏自身、「ぼーっとする時間を持つほど物事に没頭できる」と、最近は実感しているとのことでした。

(寺西ジャジューカ)