7月1日、仙台駅から電車で約20分の仙台港エリアに「仙台うみの杜水族館」がオープンした。
東北最大級のスタジアムなどを備えた同水族館は、初年度の来場者数約100万人を見込んでいる注目スポット。
規模の大きさだけでなく、さまざまな新たな試みにもチャレンジしているこの水族館。いったい、どんなところが「すごい」のだろうか?

東北復興の象徴「仙台うみの杜水族館」オープン 巨大水槽や海獣たちとのふれあいなどが目玉! 
三陸の海を再現した幅13メートル、高さ6.5メートル、水量990トンの巨大水槽「いのちきらめく うみ」は同館の目玉の一つ。

三陸の海を再現した巨大水槽に注目


施設内に大小約100基の展示水槽を備えている同水族館で、まず目を引くのが三陸の海を再現した、幅13メートル&高さ6.5メートル、水量990トンの巨大水槽「いのちきらめく うみ」。マサバやアカシュモクザメ、マイワシ、ババガレイ、アイナメなど、50種2万5000匹の生きものが泳いでいて、1日2~4回実施される、約2万尾のマイワシなどが一斉に舞う約5分間のエンターテインメントプログラム「Sparkling of Life」が話題の的に。

「この水槽は屋根がない構造になっておりまして、太陽の光がそのまま降りそそぎ、生きものたち本来の色鮮やかな姿をご覧いただけます。またマイワシの群れをめがけて泳ぐマサバや、ババガレイの岩のぼりなど、多種多様な生きものの“いのちのきらめき”を感じることができます」(同水族館広報担当・西岡さん)

ほかにも岩場を含めた隅々にまでさまざまな生きものがいるので、じっくり観察してみては?

東北復興の象徴「仙台うみの杜水族館」オープン 巨大水槽や海獣たちとのふれあいなどが目玉! 
ふれあいプログラムに登場するフンボルトペンギン(写真)のほか、大柄なオウサマペンギンから世界最小のフェアリーペンギンまで、8種約80羽のキュートなペンギンたちがお出迎え。

海獣とのふれあいプログラムが充実!


半屋外の広場「海獣ひろば」では、アシカの仲間であるオタリアやフンボルトペンギンに直接さわれる「フレンドリータイム」(1日2~4回、各回約20分)を実施。また透明なガラス階段を設けた「ペンギン水槽」では、イワトビペンギンやフンボルトペンギンが岩場を跳ぶ習性を利用して、彼らがかわいらしく跳びはねる姿を下からも観察することができるのもユニークだ。

「通常の展示では体験することのできない息づかいや手ざわりを感じながら、生きものたちを間近に観察できますよ」(西岡さん)

東北復興の象徴「仙台うみの杜水族館」オープン 巨大水槽や海獣たちとのふれあいなどが目玉! 
プールと客席との間のアクリル板の仕切りがないので、臨場感あふれるパフォーマンスが楽しめる「うみの杜スタジアム」。

東北最大規模のスタジアム


約1千人を収容できる「うみの杜スタジアム」では、東北最大規模のイルカ・アシカのパフォーマンスが見られるのがポイント。プールと客席の間にはアクリル板の仕切りを設けていないので、生きものたちとの距離が近く、臨場感あふれるパフォーマンスが楽しめる。
「イルカとアシカが共演するシーンにぜひ注目していただきたいです。横浜・八景島シーパラダイス出身のバンドウイルカと、県内のマリンピア松島水族館出身のカリフォルニアアシカによる息のあったパフォーマンスは見逃せません」(西岡さん)
東北復興の象徴「仙台うみの杜水族館」オープン 巨大水槽や海獣たちとのふれあいなどが目玉! 
この5月に惜しまれつつ閉館した「マリンピア松島水族館」の人気者・イロワケイルカなどの生きものたちも同館へとお引越し。元気な姿を見せてくれる。


復興のシンボルとなる水族館


“東北の復興を象徴する水族館”として、東日本大震災の津波で被災し、かさ上げされた土地に建設された同水族館。西岡さんは、
「地域の皆さまとともに歩み、力強く未来へ向かう東北を示すことを目指しております。地元の漁協の方の協力も得ながら、水産関係者とのコラボレーションなども行っていきます」
と、今後に向けてのスタンスを語っている。

6月末に行われたプレミアムプレビューの参加者からは「大水槽のエンターテインメントプログラムが大迫力」「パフォーマンスがとにかく楽しい!」「いろんな水槽が見やすく作られているのがいい」といったコメントが聞かれた同水族館。
上記で紹介したものの他にもさまざまな展示が充実しており、エンタメ性に富んだプログラムなどを含め、子供から大人までがしっかり楽しめる。
この夏、東北を旅するならぜひ立ち寄りたいスポットだ。
(古知屋ジュン)