「築地」が豊洲に移転した後の呼称はどうなるのか
築地市場

いよいよ2016年11月に豊洲へ移転することになる築地市場。「築地中央卸売市場」はこれまで「築地」と呼ばれ親しまれてきたが、豊洲市場へ移転した後の呼称はどうなるのか、素朴な疑問をぶつけてみた。


まずは築地にある関連協会に問い合わせてみる。

――築地市場が来年移転しますが、その後は豊洲と呼ぶようになるのでしょうか?

「移転地が豊洲になりますので、築地から豊洲になって『豊洲』と呼ばれることになるんじゃないでしょうか。正式名称は豊洲市場という名前になります。場外はそのまま残るので別々のもの。場外は一般の方や観光客が来るところ。中央卸売市場はあくまで料理屋やお店屋さんの料理人とか、商売するプロの方が来るところです」

築地とは「場内」と呼ばれる築地市場を指し、それ以外の隣接する商店街は「場外」と呼ばれる。
あまり詳しいことが聞けなかったので、さらに豊洲を管轄する都庁の担当部署にも聞いてみた。

――市場が移転したら、築地という呼称は豊洲に変わるんでしょうか?

「築地イコール市場という意味合いは、卸売市場が移転した時点でなくなります。現在は場外を含めて『築地』をイメージしていると思われますが、移転したあとで都民の方々含めて、どう思うかは我々にはわかりません」

「場外」である商店街の今後


では、卸売市場が移転して「場内」がなくなったあとの築地はどう変化するのか。「場外」である商店街の今後が気になる。

――場外はそのまま築地に残る?

「場外は残す、残さないではなく、場外は豊洲移転の対象に入りません。場外は市場の周りに自然にできた別の商店街です。
場外が付随して築地の賑いが作られてきた経緯があるのも事実です。そういう歴史はなくなってしまいますが、豊洲のほうにも施設の中に民間の人たちが運営できる施設ができる予定です」

――移転に伴って、今の場外にある店は優先的に入れるということですか?

「全体の運営会社が決まっていないので何もわからない。テナントに対しては施設全体を作る運営業者が決めます。優先的に入れるかどうか、運営業者が決めること。運営会社が決まるのが来年の3月になりますのでそれ以外のことはもっと後になるでしょう」

調べてみると過去二回も、豊洲市場のテナント棟運営業者が降りてしまっていた。

現在の築地は、場内はたいへんな混雑だ。
場内の有名寿司店は朝3時から閉店まで観光客がずらりと並んでいる。午後を過ぎると今度は場外の商店街に次々に観光客がやってくる。市場が閉まった夕方でも場外を行き交う観光客は減らない。

豊洲への移転後に観光客の数に変化が生じるかどうかは未知数。中央区では「築地市場の移転後も食文化としての『築地』の活気とにぎわいを将来に向けて継承する」として新施設「築地魚河岸」の整備を進めている。

まずは豊洲への移転を待ち、築地場外と豊洲市場の両方を比べてみたい。

(カシハラ@姐御)