初めて訪れる町やなじみのない町などで、じっくり検討する時間がないとき、パパっと短時間で食べられる駅前の小さな食堂やチェーン店、ファミレスなどに入ることがある。

ひとまず早くお腹を満たすつもりで入ったクセに、それでも「ハズレだった」と感じるときは妙に口惜しいもの。

今はスマホで口コミ等をすぐに調べられる時代だけに、安くて美味しい個人経営店を探すのも難しくないが、それでも「とりあえず」で入った店でもやっぱりできればハズしたくない。

特別美味しくなくとも、まあまあ無難なメニューを選ぶにはどうしたら良いか。

自分はとりあえず「カツ丼にハズレなし」とよく思っているが(コネタ既出)、選び方について飲食業界の人、料理記者、チェーン店をよく利用する人などに聞いてみた。

■結局、日替わりが一番
「揚げ物などハイカロリーのものが多いことを気にする人以外であれば、大量に用意されていることもあり、結局いちばんお得で無難なのが日替わりセット(定食)だと思う」

■カレーは安っぽくても美味しい
「専門店はもちろん美味しいけど、カレーの場合はどこでもそこそこで、安っぽいなら安っぽいなりの美味さがあるから」
「ラーメンは好みが分かれるし、パスタは専門店とはクオリティの差が出やすいけど、カレーならどうとでもなる。いかにもレトルトのところもあるけど、それでもまあイケるのがカレーの強み」

■うどんセットは無難
「ファミレスなどでは、うどんセットが無難。小鉢などもついていてバランスも良いし、うどんは今日日、冷凍でも十分美味しいだけに、ハズさない」

■季節のオススメメニューや限定メニューは微妙
「季節のオススメメニューなどは、旬の食材を利用し、力を入れていることが多いが、旬の食材をファミレスなどであえてとらなくても……と思う。
力が入っているだけに、定番メニューより割高なのもネック」

■ど定番メニューが一番
「チェーン店やファミレスで、高級食材を使った、本来専門店などで頼むと高価なメニューがお得に食べられると、つい手を出しがち。でも、『フォアグラがファミレスで?』とか『鴨南蛮そば、この値段で!?』『ビーフシチューがお手頃で食べられる』『ステーキが安い』などと思って食べてみると、ごく少量だったり、脂身ばかりだったり、固かったり薄かったり、定番メニューのほうが美味しかったりというのはよくあるパターン」
「少し贅沢しようと思って、トッピングしてみたら、微妙だった。何も加えない普通のものが一番ということも多い気がする」

■生姜焼き定食は不味くはならない
「家庭でも、店でも、どこで食べても不味くはならない。原価が安い料理であるところもかえって安心」

■グラタン・ピラフは冷凍チンでもそこそこ
「いかにも冷凍チンで出てきていそうなグラタンやピラフでも、アツアツ状態で出てくると、そこそこには美味しい。今は冷凍技術が上がっているから、ヘタにパスタなどを食べるよりも、麺のコシなどの問題がない分、そこそこ美味しい」

■味が濃いのは一難隠す
「醤油ラーメンなどは物足りなかったり、好みに合わなかったりしがちだが、坦々麺など味の濃いものはハズレが少ない」

大いに情熱を注ぐわけではなく、それでも「そこそこ満足」できるメニューの選び方としては、「定番」をあげる声が多いようでした。
(田幸和歌子)