筆者は男なのですが、女性の嗜好は我々ほど直接的じゃない気がします。恐らく、もっと深遠。
そんな女性たちの間で今、「鳥獣戯画」が人気を集めているそう。
ご存じですか、「鳥獣戯画」を? これは「栂尾山高山寺」(京都府市右区)に所蔵されている、作者不明の絵巻物。「甲」「乙」「丙」「丁」の全4巻からなり、「甲」「乙」が平安時代後期に、「丙」「丁」は鎌倉時代に制作されたと考えられているとのこと。なんと、"日本最古の漫画"とも言われています。
この「鳥獣戯画」に、バンダイの某女性社員がハマっているらしい。
「はい、並びました。待ち時間が大変でした……」(バンダイ・某女性社員)
なぜ「鳥獣戯画」は、これほどの人気なのか? 戯画に登場するさまざまな動物の表情や姿がゆるくシュールな雰囲気を醸し、そんな要素が女性の琴線に触れるらしい。また墨の線画が持つ独特の雰囲気が動物たちとマッチしており、独特の可愛いらしさへと昇華。結果、2015年の春ごろよりにわかに人気が帯びてきたようです。
ただ、あまりの人気ぶりゆえ、その目で「鳥獣戯画」を見たくても見れなかったファンも少なくなかった。そこで、この女性社員が立ち上がりました。
基本コンセプトは「鳥獣戯画に登場する鳥獣たちが、机上の整理整頓をしてくれる」。全高約40mmのフィギュアは全6種類がラインナップされ、各々の鳥獣にそれぞれの実用性が背負わされています。
●蛙(烏帽子バージョン)……クリップかけ
●猫……鉛筆を支える
●兎(座りバージョン)……引っかけられる
●狐……ヘアゴムかけ
●兎……メモ立て
●蛙……スマートフォンスタンド
立体化にあたっては「栂尾山 高山寺」に監修を依頼し、独特のタッチを最大限に再現。2種ずつが対になっていて、並べると絵巻物の1場面みたいになります。
「試作段階時、『可愛い』、『欲しい!』といった声や、『鳥獣戯画を商品化するなんておもしろい!』といった声をいただきました。
近年、「鳥獣戯画」は老若問わず女性からの支持を得ており、トーバックや衣料品などさまざまなグッズが発売されています。
そして、今回はフィギュア。しかも、机上の整理整頓をしてくれる実用性が含まれている。よって、『鳥獣机画』とネーミングされたのです。
(寺西ジャジューカ)