シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
シャチの油で揚げた子持ち昆布

漫画『ゴールデンカムイ』に登場する狩猟飯を再現した料理が食べられる「渋谷道玄坂ゴールデンカムイ軒 supported by 渋谷百軒店ノ小屋」が2016年9月22日、一日限定でオープンする。その料理を一足早くいただいた。
ヒンナ、ヒンナ。
※「ヒンナ」とは食事に感謝するアイヌの言葉

『ゴールデンカムイ』のマンガ飯を再現


渋谷道玄坂にある「渋谷百軒店ノ小屋」。普段はジビエや牛肉などを提供するお店だ。

『ゴールデンカムイ』(野田サトル作)は、週刊ヤングジャンプ連載の人気コミック。明治期の北海道を舞台に、元陸軍兵とアイヌ民族の少女が財宝を目指して、野山を駆け巡る冒険活劇。作品中の食事シーンは、グルメ漫画さながらの料理の描写で、読者なら一度は「食べてみたい」と思ったことがあるはず。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


今回「渋谷百軒店ノ小屋」協力のもと、漫画の世界を再現した料理を提供する「渋谷道玄坂ゴールデンカムイ軒」を一日限定でオープンすることになったのだ。


シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
暖簾はこの日のために用意


店内には野田サトル先生の直筆黒板が飾られているほか、“愛され脱獄王”白石のスタンプも大中小そろっていた。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
アシリパさん、ヒロインなのにこの表情。辺見も相変らず。

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


店のあちこちに鹿のはく製も。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


軍服姿で登場! 内田理央さんの試食タイム


女優の内田理央さんが、明治期の陸軍の軍服をイメージした衣装で登場し、再現料理を試食した。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
内田理央さん


内田さんも『ゴールデンカムイ』のファンで今日の試食会を楽しみにしていたそう。「思っていたよりも食べやすくて、美味しいです」と感想を述べた。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


特に「カエデの氷柱」は「ずっと舐めていたいくらい!」とお気に入りの様子。今回の再現料理には入っていないが、今後食べてみたい料理として「カワウソの脳ミソを塩味で!」とマニアックな料理をリクエストしていた。

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
村上ジェネラルマネージャーから説明を受ける内田さん


「チタタプ」もあるぞー。ファンなら思わずニヤリとする調味料も


今回のメニューは、漫画を象徴する料理を中心に、食材の手に入りやすさなどを考慮して選んだそう。

<お品書き>
・ウサギのチタタ(プ)の汁物
・エゾジカの塩焼き
・松前漬け
・ユ(ク)オハウ 
・カエデの氷柱
スペシャルメニュー:ヒグマのあぶり焼き
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


まずは「ウサギのチタタ(プ)の汁物」。読者にはおなじみの「チタタ(プ)」料理。食材をよくたたいて作る料理法で、作品中では「チタタプ、チタタプ」と唱えながらたたくのだ。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
ウサギのチタタ(プ)の汁物


つみれ団子になったウサギの肉は、さっぱりとしていながらも甘みがある。
内田さんは「鶏とも豚とも牛とも違う」と言っていたが、確かにその表現がしっくりくる。途中から胡椒を加えて食べてみると、洗練された味になった。

鹿はワインが欲しくなる逸品



「エゾシカの塩焼き」は、鹿の中でも一番いい部分という背中の肉を使用。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
シカ肉の塩焼き


料理を担当した村上亨ジェネラルマネージャーによると、塩で下処理をしてあるそう。見た目はローストビーフのようで、味は淡白で肉は柔らかい。作品中でも「これは酒に合うぜ」というセリフがあるが、赤ワインが欲しくなる。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
「一番とっつきやすい肉」と内田さん


シャチの脂肪で揚げる子持ち昆布


貴重なシャチの脂肪を揚げ油に使った「子持ち昆布の串揚げ」が登場。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
シャチの油で揚げた子持ち昆布


串揚げを口に入れた瞬間は、ラードとも違う動物系の香りがした。
しかし、味はあっさりしていて、もたれるような感じはない。子持ち昆布は卵がたっぷりで食べ甲斐があり、シンプルな塩味が味を引き立てる。

ご飯、お酒が欲しくなる松前漬け



「松前漬け」は言わずと知れた北海道の代表料理。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
松前漬け


濃いめの味付けで、内田さんは「お酒に合いそう」と言っていたが、ここは作品通りにご飯と一緒に食べてみたかった。

オリジナルメニューは“強敵”クマ


クマは作品中では生食しているシーンがあったが、現代では無理なので焼いて提供される。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
クマ肉のあぶり焼き


クマ肉は入手がかなり困難なので、数量限定の抽選メニューとなる。今回の料理の中でも一番“ケモノ感”のする、パワー系の味。少し噛みきりにくいところもクマのパワーか。
『ゴールデンカムイ』のワイルドさを一番味わうことができるはず。

化学調味料なしでも深い味の鹿鍋


今回の再現料理で気をつけたのが「なるべく漫画の味を再現しよう」ということだそう。そのため、明治期の北海道で使われていたと思われる調味料だけで味付けしているので、当然化学調味料は使っていない。それでも「ユ(ク)オハウ(鹿肉の鍋)」はとても深い味わいだ。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
ユ(ク)オハウ 

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
ユ(ク)オハウ お好みで味噌を入れて


読者なら分かる「オソマ」こと、「味噌」も別添えされているので、両方の味で楽しもう。体が温まるので今度はぜひ冬に食べてみたい!
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
ユ(ク)オハウ 


一度食べてみたかった! 森のデザートも登場


デザートの「カエデの氷柱」は、カエデの枝から樹液が染み出したツララを食べるシーンをイメージした料理。それまでのワイルド料理を食べた口の中に、優しい素朴な甘さが広がり、気持ちをほっとさせてくれる。

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
カエデの氷柱

シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる
内田さんもお気に入り


『ゴールデンカムイ』ファンなら、是非食べたい今回の再現料理。普段食べ慣れない種類の肉が並ぶが、臭みはなく食べやすいので、ジビエ初心者にもオススメ。ファンでない人も誘いやすいだろう。70組140名の招待制となっているので、ぜひ申し込みをしてみては。
シャチの脂肪で作った串揚げの味は? 「ゴールデンカムイ」の狩猟メシを食べる


そして食べた後はすべての食事に感謝しよう。ヒンナ、ヒンナ。

※( )内は小文字

渋谷道玄坂ゴールデンカムイ軒 supported by 渋谷百軒店ノ小屋

<開催日>
2016年9月22日(木・祝)

<営業時間>
11:00〜/12:30〜/15:30〜/17:00〜(1時間・完全入替制)

<料金>
コース料理を無料提供

<予約>
特設サイトにて受付 
http://youngjump.jp/goldenkamuy/contents/goldenkamuyken/
※受付期間は8月19日(金)〜9月4日(日)。多数のお申込みが予想される為、抽選の上、9月12日(月)を目処に当選者のみにご連絡。

(前田郁/イベニア)