まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる

子どもの頃、コンドームの自動販売機を指してあれは何だと母親に聞いたところ、「悪い子が生まれないようにするためのものよ」という回答が返ってきたことがある。

「悪い子」という表現はいささか偏っている気がするが、何しろ30年近く前の時代の風潮というものもあるし、突然ぶつけられた難問に対してとっさに答えたにしては上手く言ったもんだなと思う。
という訳で、今回はコンドームのお話をさせていただきます。

オカモト登場前は、無法地帯だったベトナムのコンドーム界


まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
ベトナムのコンビニのレジ脇で売られるコンドーム。


筆者の住むベトナムでは、2014年に日本でもお馴染みのオカモトがコンドーム市場へと参入し、今ではコンビニやスーパー、薬局などで気軽に高品質のコンドームを購入できる環境になった。とくにいくつかのコンビニでの置き場所は決まってレジ脇であり、日本では整髪料や洗顔料などに紛れるようにひっそりとある状態と比べると堂々としたもの。

これは、コンドームの購入を恥じらう風潮が残るベトナムでの、注意喚起という意図もあるのだろう。つい今年の9月にも、恥ずかしくてコンドームを買えない若いカップルが、こともあろうかラップで代用したために病院の世話になってしまうというニュースがあったばかり。真偽はともかくとして、つい5年前には「ベトナム人が一生に付き合う異性は一人か二人」と聞いたくらいなので、「恋人と避妊をするなんて」という考えがあったのかもしれない。

まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
街で見かけたロゴ入りのレインコート、巨大なコンドームのようで私は着たくない

今でこそオカモトと、世界一のシェアを持つDurexの二強だが、それまでのベトナムでは、政府機関によって無料配布されたものと、海外から非公式に持ち込まれたものの二種類が存在していた。
前者の品質は国際基準を満たしている一方で後者は粗悪品が多く、国際機関の調査によるとサンプリングしたほぼ半数が国際基準を満たさないものだったらしい。

で…随分と前置きが長くなってしまったが!

今回は、そんな粗悪品とされたコンドームを手に入れる機会があったので紹介しようと思うのだが、品質について語りたいのではなく、そもそもちょっと…「なんでそうなっちゃったの!?」という見た目なのだ。

アメリカのお菓子?砂糖がたっぷり入っていそうなコンドーム!


それがこちら。

まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
色が…!


まず、非常に、非常~に毒々しい色をしている。砂糖がジャリジャリするくらい入っている、アメリカで売られていそうなお菓子のようだ。しかし、これはコンドームなので出してみなくちゃ分からない。ちょうど冷蔵庫にバナナがあったので、アレと見立てて装着してみることにした。
なお、使うバナナはモンキーバナナという種類で通常の半分以下の長さだが、筆者が想像するソレの長さと何の関連もありません。たまたまこれしかなかったんです。で、はい、装着!

まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
お…?


まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
顔~!


セサミストリートのマスコットの出来損ないのような顔が出てきた。なんかもう、これを装着してボ●キしている紳士の立ち姿を想像すると間抜けすぎて泣けてはこないか。「右手が宇宙人」なら名作SF漫画になろうものの、「チ●コが宇宙人」はどう転んでも下ネタギャグ漫画にしかならないだろう。そもそも蛍光塗料が塗られているが、そのへんの品質は大丈夫か、周りのポツポツも取れないか。
その見た目からは不安を煽られるばかりだ。

まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる
色違いのみっつを装着してみた。


バナナが小さかったためかなり弛んでしまっているが、中央紺色のピョコンと飛び出している突起物の存在理由も分からない。最初はソレを溜めるスペースかと思ったが、かなりゴムが分厚くかなりの圧力が掛からないとふくらまないぞ。そもそもふたつあるし、ただの飾りとしか思えないが、だとするとそれ単純に邪魔にしかならないんじゃありませんか。


伸ばしてみたところ…パチッと破れた!


まるでアメリカのお菓子?ベトナムのコンドームが毒々しすぎる

ただ用途通りにバナナにハメていたら…パチッと破れた!

このコンドームがいつ製造されたものは分からないが、伸縮に耐えられなかったのか、太陽光で干からびた輪ゴムのようにパチッと破れてしまった。古かったとは言え、コンドームってそんな簡単に破れていいものじゃないだろう。粗悪品!確かにこれは粗悪品だった。


良い子…というより大人は絶対に使っちゃいけません!


しかし、どう見てもジョークグッズとしか思えないこのコンドームは、過去のベトナムでは愛を語らう際のお約束だったらしい。今では大手メーカー製品の流通により性感染症の拡散などはかなり減ったと聞くが、もしこの手のコンドームが手に入っても、ネタとして見たり触ったりする程度で、決して使わない方がいいでしょう。って、誰も使わないか。
(ネルソン水嶋)