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先月、『デビルマン』の新作アニメ製作を発表した「ダイナミック企画」に、その制作背景とリメイク作品が多く生まれる理由を聞いた。
「私たちは1990年代より『キューティーハニーF』や『真ゲッターロボ 世界最後の日』など、70年代に話題になった作品をもう一度皆様に見ていただこうと、TVシリーズやOVAといった様々な形で新作を世に出す術を模索しています」と話すのは、企画開発部・永井一巨氏。
「そういった中で、2007年前後、弊社でいうと『鋼鉄ジーグ』のリブート作品にあたる『鋼鉄神ジーグ』や『真マジンガー衝撃!Z編』、『キューティーハニーTHE LIVE』の企画、制作を行っている頃から、様々な形のリメイク作品が世の中に受け入れられている感覚を覚えた気がしています」。
ただ、一括りに“リメイク作品”と呼ばれることには「個人的にはしっくりきていません」と、永井氏は言葉を続けた。
「たとえば、“過去の作品を3Dなど新たな手法で作りたい!”といったものや、原作のキモだけを新たな形に昇華しようとする作品。その他にも、原作の作品世界を通じて新たなテーマを提供しようとする作品、当時の映像化よりさらに原作の意図を汲もうと深掘りする作品など、作品ごとに作り手の“思い”は多種多様に存在しています」。
では、今回の新作「デビルマン」にはどのような“思い”があるのだろうか?
「原作の漫画『デビルマン』は、映像化が難しい、とよく評される作品です。最大のポイントは作品全体の構成が絶妙なバランスで成り立っていること。少しのシーン、少しの間、少しのセリフが変わるだけで別の作品になってしまうのです。ただ、今回かなり大胆な方法を取ることによって『デビルマン』の世界を描いています。
『デビルマン』同様、他のリメイク作品たちにもそれぞれ、制作者側の多様な“思い”が込められているはず。作品タイトルのネームバリューだけでなく、その背景にあるものまで楽しめる度量を持ちたい。(取材・文:オグマナオト)