『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で知られる漫画家・秋本治が16日に都内で行われた集英社の2017新刊企画発表会に出席。『こち亀』の復活について「両さんに聞いてみないとわからない」と語るとともに、新作『BLACK TIGER ブラックティガー』に込めた熱い想いを明かした。


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 2016年に40年におよぶ連載が終了となった『こち亀』。2017年9月16日発売の「週刊少年ジャンプ」では連載終了から約1年ぶりに新作が掲載され、ファンを喜ばせた。秋本は「ひょっこり戻りました」と笑顔を見せつつ、今後については「(主人公の)両さんに聞いてみないとわからない」とコメント。「イレギュラーのこと。“戻るの!?”と僕が驚いたくらいだった」と今回の復活は自身にとっても意外なことだったという。

 「連載が終わるときに、“来年、何かを描きましょう”という話をしていた。
新作で戻ると思っていたら、“やっぱり両さんでしょ”となった」と経緯を明かし、「“懐かしかった”など反響をいただいて、みんな両さんを愛してくれているんだなとホッとした」としみじみと語っていた。

 『BLACK TIGER ブラックティガー』は、南北戦争後のアメリカを舞台に、女ガンマン“ブラック・ティガー”の活躍を描く西部劇。「劇画の絵。“両さんとは違う絵になった”と言われますが、もともと僕は劇画を描いていた」と秋本。「それまでは両さんのようなギャグを描いたことがなかった。やってみたら“こりゃ面白い”と40年も描いてしまった。
ちょうど200巻が終わったところで、原点に帰ろうと思った」と同作は“原点回帰”だという。

 「映画を観るようなかたちで、漫画を読んでほしい」と“シネマンガ”という新たなジャンルの開拓を目指し、「今、西部劇が少ない。改めて西部劇の楽しさを表現したい。これは『こち亀』ではできなかったこと」と意気込む。“ブラック・ティガー”の衣装に身を包んだ女優・松田るかも出席したが、秋本は「イメージ通り。大満足」とうれしそうな笑顔を見せていた。