1995年、一枚のアルバムがこの世に産み“堕”とされた。その名も 『So What?』(ビクターエンタテインメント)。
“だから何?”という意味のこのアルバムは、1991年に結成されたヘビーメタルバンド「So What?」が、メジャーデビュー第一弾のアルバムとして発売したものである。このバンドのボーカリストは、「THE冠」こと「冠徹弥(かんむり てつや)」である。
NHKにも出演決定! 90年代デビューの「THE冠」に再び注目が集まる
「So What?」(ビクターエンタテインメント)

2003年に同バンドが解散して以降、「THE冠」として現在もソロ活動を行っており、一部に熱狂的ファンを抱えながら、「笑い」と「ヘビーメタル」を融合させた新感覚のエンターテイメントを体現している大注目の存在だ。
そんな「THE冠」が、2015年10月、音楽番組『MUSIC JAPAN』(NHK)に出演することが決定。界隈ではざわめき、どよめき、狂喜乱舞の雄叫びが、地獄の底から湧き上がっている!

ビジュアル面からインパクト大!


そんな「THE冠」、一体なにものなのか? まず、見た目のインパクトがすごい。ステージ衣装は『北斗の拳』のラオウほか、ロード・ウォーリアーズ(※アメリカのプロレスタッグチームのユニット名)の鎧や、スタン・ハンセン(※プロレスター)のベストとチャップスなどをモチーフにしているという。

ぎょろっとした大きな瞳、つるんとした頭部、そして全身を纏う鎧。とにかくビジュアル面のインパクトは抜群だ。というか、冠さん普通に超イケメンなんだよなぁ〜。

アニメソングも歌っている!


そんな我らが冠さん。実はアニメとも深い関わりがある人物なのだ。
たとえば「D.M.C」こと、『デトロイト・メタル・シティ』の劇場版では、主人公のクラウザーII世の歌唱シーンのアテレコを担当している。
さらに2008年には、増田こうすけ劇場「ギャグ漫画日和3」のOPテーマ曲を担当。その他、『毎度! 浦安鉄筋家族』の1〜25発目までのOPテーマも担当しており、もはや日本のギャグ漫画界に欠かせない存在といっても良いだろう。


おすすめの楽曲と最新動向


そんな「THE冠」。語りたいことは山ほどあるが、とにかく“黙って楽曲を聴け……! そしてライブに行って体感しろ!”と言いたい。クリアなクリーンのハイトーンボイス、死に際のような甲高い「スクリーム」、そして唸るような低音の「グロウル(いわゆるデスボイス)」などいくつもの歌唱法を使い分ける様子は、やはり“お笑いの人”ではなく“メタルの人や!”と再確認させられる。

まずはじめに聴いていただきたいのは2009年に発売した1stアルバム、 『傷だらけのヘビーメタル』である。このアルバムには、“ボンジョビはヘビメタじゃない〜”でおなじみの代表曲『傷だらけのヘビーメタル』ほか、メタラーなら知らない人はいない「Judas Priest」の名曲『Pain Killer』をオマージュした『俺なりのペインキラー』も収録されている。
NHKにも出演決定! 90年代デビューの「THE冠」に再び注目が集まる
「傷だらけのヘビーメタル」(DefSTAR RECORDS(SME)(M))

また2013年に発売されたアルバム『帰ってきたヘビーメタル』も唯一無二の楽曲が盛りだくさん。こちらも必聴である。

そしてMVが面白いことも冠さんの大きな魅力。どれもストーリー性があり、MV内に登場する自室や、HR/HM好きにはたまらない小物など、隅々までチェックしていただきたい。アルバム『最後のヘビーメタル〜LAST OF HEAVY METAL〜』に収録されている『中3インマイドリームス〜行ってみたいなL.Aに〜』などはジワジワくるぞ!
2015年9月9日には、最新のミニアルバム『鎧兜鎖血』が発売され、ファンの間では早くも絶賛の声が絶えない状況だ。

メタルイベントを開催! みんな集まれ〜!


2015年10月4日には、クラブチッタ川崎にて、「大冠祭2015」を開催することが決定している。出演者も只者ではないぞ!
「THE冠」を代表に、「SEX MACHINEGUNS」「HER NAME IN BLOOD」「MERRY」「Aldious」「Raglaia」など、ジャンルにとらわれない音楽性が魅力の実力はバンドが集結する。これから新たに発表される出演バンドもあるようだ。
このツワモノ揃いのイベント、ハードロック・ヘビーメタル好きなら絶対に足を運ぶように……! アーーーーライ!
(ヤマグチユキコ)
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