アイドル戦国時代と言われて久しい昨今。およそ四半世紀前の90年代初頭、“アイドル冬の時代”があったことをご存じでしょうか? おニャン子クラブ解散後、本物志向を強めるミュージシャンやバンドブームの狭間で、とても肩身の狭い思いをしていたのがアイドルという存在(とそのファン)でした。

そんな“冬の時代”を経て、より美しく逞しく、この21世紀でも活躍を続ける元アイドルたち。今回は、現在も女優として活躍を続ける三浦理恵子(元CoCo)をふりかえります。

三浦理恵子、CoCoとしてアイドルデビュー


フジテレビのバラエティ番組『パラダイスGoGo!!』(1989年)内でスタートしたタレント育成企画「乙女塾」。芸能界に憧れるシロウトの女子中高生が、数々のレッスンを経て芸能界デビューを勝ち取る、というフォーマットは、同じくフジテレビの『夕焼けニャンニャン』を下敷きにしたものでした。

三浦理恵子はこの「乙女塾」の2期生として番組に登場。ちなみに同じ期にはのちにCoCoのメンバーとなる瀬能あずさ、「桜っ子クラブ」を経てアイドルデビューする胡桃沢ひろこらが在籍していました。
三浦、瀬能に加え、羽田惠理香(現はねだえりか)、宮前真樹、大野幹代の5人で1989年9月にCoCoが結成され、『EQUALロマンス』でデビュー。
オリコン最高7位、累計11.9万枚というセールスは、当時のアイドルとしては十分なヒットといえるものでした。

ぶりっ子キャラを確立した三浦理恵子


1990年1月にリリースされたセカンドシングル『はんぶん不思議』が、CoCoの最大のヒット曲(オリコン最高4位、累計13.7万枚)です。この曲はまさに三浦のために作られた曲と言っていいでしょう。
ささやくように「あなたいじわるぅ」とせまる三浦のキャットヴォイスは、全国の男性アイドルファンを身悶えさせるとともに、同世代の女子中高生たちをイラっとさせました。

80年代の反動から“ぶりっ子”がもっとも忌み嫌われた当時、三浦はあえてその役割を引き受けたのです。『はんぶん不思議』は、のちに中川翔子が『しょこたん☆かばー4-1~しょこドル編』でカバーしていますが、その破壊力は元祖には遠く及びません。
明確なリーダーやセンターが存在しなかったCoCoですが、ライブは三浦による「みんな、元気ぃ~?」のコール&レスポンスでスタートするのが定番となりました。


三浦理恵子のソロデビュー、「冬の時代」に勝てず


1991年2月14日のバレンタインデーに満を持して『涙のつぼみたち』でソロデビュー。続く『水平線でつかまえて』でもスマッシュヒットを記録します。
しかし時代はミリオンセラー連発のCDバブル期。アイドルがオリコンランキング上位に食い込むのは難しい時代でした。サードシングル『日曜はダメよ』では作詞・作曲にピチカートファイヴの小西康陽を迎えますが、大きなインパクトは残せませんでした。

1994年にCoCoが解散し、歌手としての活動が減る一方、三浦は活動の幅をドラマや映画にも広げます。1995年には当時22才ながら堂本剛主演の『金田一少年の事件簿』第一期(1995年)に、不動高校2年生のトモヨ役として出演し、ドラマ終盤では重要な役どころも任されます。

その後も『家政婦は見た!』、『古畑任三郎』、『あぐり』などの人気ドラマに出演し、アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』では声優にも挑戦するなど、着実に芸能界でのキャリアを重ねました。2000年代には『特命係長 只野仁』でセクシー路線という新境地も開拓しています。

ダイアモンド☆ユカイと結婚、そして離婚、再婚


私生活では1996年、とあるホームパーティで元レッド・ウォーリーアーズのボーカル、ダイアモンド☆ユカイと出会い、翌1997年には24才で結婚。8月にはユカイの作曲によるシングル『アリガト』をリリースしています。
しかし、生活のズレなどの理由から2001年に離婚。以降はとくに浮いた話もなかったのですが、昨年9月に年上の一般男性との結婚が報道されました。

アラフォーとなった三浦理恵子 今の方がカワイイ?


CoCoとしてのデビューから27年目を迎え、現在42才となった三浦理恵子。
1月9日放送の『にじいろジーン』に出演した際には、アイドル時代と変わらないキャットヴォイスで「おいしくなぁれ」とささやく彼女の色香に男性陣がメロメロとなる事態が発生。
スキャンダル発覚後初の生放送となるベッキーを差し置いて一時トレンドワード入りするほどの再評価ぶりで、Twitter上には「ベッキーどうでもよくなった」「三浦理恵子さん卒論ださねえかなあ」の声があふれました。

いまのところ、歌手としての活動は2003年に京阪電鉄のキャンペーンソングとしてうたった『出町柳から』(覆面歌手の中之島ゆき名義)が最後。またあの歌声、聴けませんかねえ…。
(DJGB)