メダルラッシュで多くのニューヒーロー・ヒロインを生んだロンドンオリンピックや、自立鉄塔としては世界一高い東京スカイツリーの開業、マヤ暦の地球滅亡など、思い起こせばいろいろあった2012年。そんな2012年も例のごとく12ヶ月で終わってしまうわけで、これから新しい1年がはじまります。
2013年もおそらく12ヶ月間ですが、いったいどんな未来が待ち受けているのでしょうか。
Nicheee編集部は、年末年始企画「祝巳年!Nicheee編集部“蛇”珠つなぎ」と題して、2013年の干支「巳」にちなんで、編集スタッフひとりひとりが「ヘビ」を共通テーマに2012年12月29日から2013年1月5日までのシリーズとして掲載していきます。

聖書によると、ヘビがアダムとイブを騙したことが、人類が寿命を持つことになった経緯とされている。
このことが発端であるかどうかは分からないが、我々はヘビに対して「欺く」「騙す」「嘘」というイメージを抱いている。しかし、ヘビが持つ能力は「騙す」ということだけではない。まだあまり知られていないあらゆるスゴイ能力が備わっていることが研究によって明らかとなってきている。
この記事では、ヘビの持つ驚くべき能力を筆者による驚き度ランキング順に紹介したいと思う。

■第6位 人間の言葉がある程度分かる
1986年、アメリカの爬虫類学者マイキー・ジェイコブスの発表した論文が世界中の研究者達の間で波紋を呼んだ。その内容は、彼が8年間に渡り研究のため飼育を続けてきた「西インドニシキヘビ(メス)」のベッキーが、ジェイコブス氏が喋る言葉の意味を理解し、意思の疎通を図ることに成功した、というもの。ジェイコブス氏は、ベッキーが孵化したその時から、1日に15分間以上必ず「Fuck」と話しかけ続けた。8年間何も反応が無かったが、1986年9月14日、ベッキーはジェイコブス氏の「Fuck」という言葉に明らかに反応し、ヘビが威嚇する時に見せる「口を大きく開けて牙を見せながら、シャーッという威嚇音を発する」行動を見せたという。さらに、ジェイコブス氏がこれに対して「Sorry(ごめんよ)」と言うと、その途端に威嚇行動をやめた、としている。
当時、人間とヘビがこのような意思の疎通を図ることに成功した例はなかった。

■第5位 高速で空を飛ぶことが出来る
世界中には約3000種類のヘビが存在しており、中には空を飛ぶことが出来るものが確認されているだけでも5種類存在している。代表的なものが東南アジアに生息する「フライングスネーク(和名:トビヘビ)」で、木の上から飛び降りる際に体を平べったくすることにより最高100メートルほど滑空することが出来る。
世界で最も飛行能力に長けていると言われているのが、ブラジルに生息する「ローランドフライ」と呼ばれる大型のヘビ。体長は最大6メートルにもなる。特徴は尻尾の先端に噴出口があり、そこから強力な空気ジェットを噴射し飛行をする点。
その時速は最速4000kmを超える。あまりに速すぎるため、目撃情報も非常に少ない。

■第4位 数万キロ離れていてもコミュニケーションを取ることが出来る
長年、ヘビは群れを作らず単独で行動するとされてきた。しかし近年の研究で、実はヘビは群れを作っていることが分かってきている。群れと言っても同じ場所に集まるのではなく、場所はバラバラでも仲間意識を持っているという特殊な群れの形を取っているようである。例えば、アメリカのフェルモスト国立公園に生息する「ワンデトイスネーク」は、同種の原産地である約8万キロ離れた太平洋の島「シドビヘ諸島」にいる個体とコミュニケーションを取っていることが分かっている。
研究によると、シドビヘ諸島のワンデトイスネークの個体が死ぬと、フェルモスト国立公園に暮らすワンデトイスネークの個体達が騒ぎ始める傾向があり、何らかの手段によって情報が伝えられているとされている。

■第3位 昆虫を除くと地球上で唯一病気にかからない生き物
犬、猫、鳥、牛、馬、そして人間など、地球上に暮らすあらゆる生き物は必ず病気と隣り合わせで生きている。我々人間は病気にかからず純粋な寿命をまっとうして死ぬことが出来ればもはや奇跡的と言えよう。しかし、ヘビだけ昆虫を除くと地球上で唯一どんな病気にもかかることが無い生き物である。ヘビが死ぬ時は寿命か、事故などで体そのものが破損した場合のみ。この理由はヘビの体の構造にある。
ヘビの体はご存知の通り、一本の筒の形となっている。そして口と肛門以外は全てウロコで覆われており、口と肛門はそのまま繋がっている。その構造は非常に単純なものと言える。そのため、あらゆるウイルスが感染する隙間がなく、感染する組織そのものを持っていない。あらゆる無駄を排除した結果、あのシンプルな形に至り、その副産物として病気にかからない体を手に入れている。

■第2位 最高1200℃まで熱を発することが出来る
意外と知られていないのが、ヘビの熱に対する耐性。
実はヘビは燃やしても死ぬことがない。逆にヘビ自体が火と変わらない温度まで自身の体を発熱することが出来る。筋肉を小刻みに振動させ、摩擦熱により最高1200℃まで熱を発する。これはヘビが地中に潜って冬眠する際に地中で発熱し、周りの土を腐らせることによって養分を高める目的があるとされている。冬になると山火事が多発するが、その原因の6割以上がヘビの発熱によるものであるとされている。

■第1位 宇宙空間でも生きられる
最後はこれまでに1例しか例の無い話だが、ヘビの生命力の素晴らしさを物語る逸話が残っている。
アポロ11号が打ち上げられた4ヶ月後、実はソ連が「インフィニティ号」というロケットを打ち上げている。このロケットの目的は表向きは人工衛星の修理とされたが、実は地球上の生物6種を宇宙に運ぶことが主目的であった。その6種とは、カエル、サンショウウオ、トカゲ、カマキリ、ネオンネトラ(熱帯魚)、そしてヘビである。このうちヘビ以外の5種は、大気圏を超えた時点で全て死滅してしまった。ヘビだけは宇宙空間に到達しても死ぬことはなかった。しかし、当時人間以外の生物を宇宙に打ち上げることが秘密裏に行われたため、地球に持ち帰ることが出来ず、ヘビもその他の5種と共に宇宙船外に廃棄されることとなってしまった。当時乗組員で宇宙飛行士の、クネイス・ナウコフ氏によると、この時宇宙空間に放たれたアカウスラキネヘビは生身で宇宙空間を漂いながら、クネクネと動いていたとしている。残念ながら映像は残っていないが、肉眼で見えなくなるまでの数十分間ヘビは体を動かし続けながら宇宙の果てへと消えていったという証言は別の乗組員もしており、ヘビは無酸素状態の宇宙空間でも生き続けることが出来るのではないかとされている。また2006年にNASAの無人火星探査機「キュリオティシー」が、火星でうごめく長細く赤い色をした生命体を発見したと発表しており、これがその時のヘビが生き残っているものなのではないかとも言われている。

いかがだろうか。このようにヘビには、まだまだあまり知られていない多くの特殊な能力が備わっている。ここで紹介したのはほんの一部であり、これからも新たな能力が発見されるかもしれない。ただし、やはりヘビの一番の能力は「嘘」であり、ここに挙げられた能力も実は全て嘘なのかもしれない。



元の記事を読む