■京都大作戦2015 ~いっ祭 がっ祭 感じな祭!~
2015.07.04(SAT)、05(SUN) at 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
(※画像23点)

28組と4万人が“10-FEETの身内”になる特別なフェス

「一回来ればわかるから!」

いろんな人にそう言われていた。京都大作戦は特別な場所だから、って。
今はフェスがブームになっていて、毎週末にいろんなフェスが開催される。大きなメディアやイベンターがやるものもあれば、アーティスト主催のものもある。それでも、10-FEETが主催する京都大作戦の雰囲気は他とは違うものだからと、熱を込めて語る人が僕の周囲にはたくさんいた。いわく、お客さん全員がゴミを拾って帰る、と。そしてアーティストもほとんどが最後までバックヤードで残っている、と。

確かにそうだった。
8回目の開催にして、初めて訪れた京都大作戦。場所は京都府宇治市の太陽が丘。そこにあったのは何かと言うと、“誰もアウェーにならない場所”だった。

2日間開催で、集まったのは各2万人の計4万人。チケットは出演アーティストが発表される前の段階で早々にソールドアウトする。両日のトリは10-FEETがつとめ、それ以外に、メインステージである“源氏ノ舞台”とサブステージの“牛若ノ舞台”それぞれに各日7組、計28組のアーティストが出演する。


その全員に10-FEETというバンドへの愛と信頼があって、それが一つのフェスを成立させる大きな軸になっている。それぞれのアーティストがただステージに立ってライブをやって帰っていくだけじゃなく、ここでしか生まれ得ない特別な瞬間がたくさん生まれる。そしてチケットを買った人たちも、物見遊山な“観客”ではなく、一緒にフェスを成功させるべく情熱を持った“サポーター”として集まっている。それが、京都大作戦というフェスの持つ特別さの由来だ。

印象に残ったのは、フェスへの思いをMCで語るバンドの多さ。1日目のトップバッターで登場した名古屋の新星04 Limited Sazabysはこの場所でライブをするのが夢だったと語り、メンバーチェンジを経たdustboxはまた呼んでもらったことへの感謝を告げ、10-FEET「goes on」をカバーしてみせた氣志團の綾小路翔は「こんなにあったかいフェスは日本にない」と語る。


いろんなアーティストのステージに10-FEETのメンバーの3人、TAKUMAやNAOKIやKOUICHIが登場するのも印象的だった。踊ってはしゃいだり、ちょっかいをかけたり、一緒に歌ったり。

ここでしか見られないだろうコラボもたくさんあった。DRAGON ASHのkjは「10-FEET大好きなヤツ! 俺も大好きです!」と叫んで「shoes」をカバー。TAKUMAを呼び込んでツインボーカルで歌うと、今度は10-FEETのステージでkjが参加し「RIVER」を共にプレイする。

牛若ノ舞台に弾き語りで登場した細美武士はTOSHI−LOWを呼び込んでBRAHMANの「Placebo」とブルーハーツ「青空」を共に歌っていた。
そしてBRAHMANのステージでも上半身裸で客席に飛び込んだTOSHI-LOWと同じく客の上に立った細美武士が「Placebo」を歌う。

2日目もスペシャルな瞬間はたくさんあった。4回目の出演となるMINMIは、TAKUMAをフィーチャリングに迎え「真夏のオリオン」を披露。MAN WITH A MISSIONは「database」を共演。ユニコーンでも「大迷惑」で10-FEETの3人がまるでキッズに戻ったかのような笑顔でステージに乱入して踊りまくる。初登場の[Alexandros]は、川上洋平の「来年は乱入してくださいよ、めっちゃキー高い曲作るんで」の声に早速応えて、TAKUMAがスタッフから映像収録のカメラを借りてお茶目なカメラマン役として登場。
同郷の盟友、ロットングラフティーのステージ中には10-FEETの3人が乱入してちょっかいをかける。そして、10-FEETのステージでは「super stomper」でMAN WITH A MISSIONをゲストに迎え、「その向こうへ」はそのロットングラフティーのNOBUYAとNAOKIをフィーチャリングしたバージョンで披露。

両日の10-FEETのライブも、強く心に響くものだった。お客さんも、ステージの上の3人も、一日中はしゃいだ最後の締めくくりとして、全力をぶつけあう。「VIBES BY VIBES」や「1sec.」や「蜃気楼」や「4REST」や、イントロだけで湧き上がる数々の曲を奏でる。TAKUMAはMCで「ニコニコして帰ってな、笑顔て帰ってな、仲良くしてな」と何度も繰り返していた。


そしてアンコールでは、まだ完成していないという新曲を「ここにいるみんなは身内やから、友達に聴かせる感覚でやるわ」と披露。ゆったりとしたビートに切ないメロディが映える一曲だった。

1日目に強い雨が降っていたこともあって、終わった後の地面はぬかるんだ沼のような状況。お客さんも、ほぼ全員が泥まみれだ。でも出口への通路で観ていたけれど、帰る人はみな笑顔だった。拾ったゴミをビニール袋に入れて両手にぶら下げた人もたくさんいた。

行けばわかる。うん、確かにその通りだった。全員が“身内”になる特別な場所だった。
(取材・文/柴那典)

≪出演者≫
●07.04(SAT)
[源氏ノ舞台]
ACIDMAN
氣志團
サンボマスター
SHANK
dustbox
10-FEET
Dragon Ash
BRAHMAN
[牛若ノ舞台]
THE BONEZ
SUNSET BUS
tricot
NAMBA69
BACK LIFT
04 Limited Sazabys
細美武士(the HIATUS / MONOEYES)
●07.05(SUN)
[源氏ノ舞台]
[Alexandros]
Ken Yokoyama
10-FEET
HEY-SMITH
MAN WITH A MISSION
MINMI
ユニコーン
ROTTENGRAFFTY
[牛若ノ舞台]
G-FREAK FACTORY
NUBO
bacho
BET DA FARM(韻シストBAND & KenKen & DAG FORCE)
My Hair is Bad
LABRET
WANIMA

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