演歌歌手の小林幸子が今年4月、25年間にわたり個人事務所を支えてきた元社長の関根良江氏と女性の元専務を解任したお家騒動だが、25日付の東京スポーツが、関根氏に約4,000万円、元専務に約2,000万円を支払うことで合意し、和解が成立したことを報じた。

 同紙によると、小林は騒動によって新曲「絆坂」(日本コロムビア)の発売延期など芸能活動に大きな支障が出たこと、ワイドショーを中心にバッシングのが吹き荒れたことで精神的に追い詰められたことなどもあり、関根氏サイドと水面下で話し合いを続け、今月15日に正式に和解が成立。

和解したとはいえ、小林と関根氏は袂を分かち、音楽業界で力のある「ワクイ音楽事務所」が小林のバックアップに乗り出すというから、ようやく一件落着かと思われた。

 ところが、東スポの記事を受けた26日付の各スポーツ紙によると、関根氏サイドは「一連の騒動に関する道義的・倫理的責任、感情的な諸問題を含めての全面的な和解ではない」と主張。一方、小林もマスコミ各社に直筆ファクスで「(関根氏サイドと)法的解決・合意が成されたことを御報告申し上げます。まだ全面的解決には至ってはおりません」とコメントし、両者一歩も引かない構えを見せている。

「関根氏と元専務は、小林のマネジメント会社『幸子プロモーション』など計3社の取締役を務め、残りの任期が約3年。その期間で得るはずだった報酬は、2人で計1億円近くあったと推定され、小林サイドには会社法で定められた賠償責任があったが、現在払える金額が計6,000万円。

25日までに全額が支払われたようだ。小林にすれば最大限の誠意を見せたはずだったが、まさか、気軽に送ったあんなメールが公表されるなんて夢にも思わなかっただろう」(レコード会社関係者)

 26日付のスポーツニッポンによると、小林は25日、知人らに「和解の合意書調印ができました」「相手側はお金の問題ではないとのことでしたが、結局お金でした」「もしかしたら、またひと騒動あるかも。彼女たちの嘘が暴露されていくと思う」などのメールを送ったというのだ。

 「“幸子命”でマネジメントに人生を捧げてきた関根氏にすれば、まるで自身が“守銭奴”に思われているようで、腹立たしいに違いなく、おまけに和解の金額も決して納得いくものではないだろう」(前出・関係者)というが、小林の不用意なメールが関根氏の怒りの火に油を注いだことは明らかだ。今回の騒動、小林にとっては、もはやまったく勝ち目がないようだ。

「関根氏のバックにいるのは“芸能界のドン”ことバーニングプロの周防郁雄社長。

業界のあらゆるところに情報網を張り巡らせているだけに、小林が何をしているかは筒抜け。周防氏と太いパイプがあるスポニチに、本来ならば漏れるはずのないメールの内容が掲載されたのも納得できる。おそらく、小林が関根社長のみならず、周防氏に対しても多大なるメリットがある条件を提示しないと、今回の騒動は解決しないだろう。ただ、小林のマネジメントに介入しようとして関根氏らと対立し、騒動の一因になったといわれている、小林の夫で医療関連会社社長の林明男氏は芸能界のルールがまったく分からないので、そう簡単には引き下がらないだろうが」(週刊誌記者)

 このままだと、大みそかの紅白出場は絶望的。小林は早々に大きな決断を迫られることになりそうだ。