豪華タレントたちがオープニングイベントに参加する恒例の全国矯正展(刑務所作業製品展示即売会)が6月3日、午前10時から東京・科学技術館で行われたが、業界ではこのイベントは“バーニング案件”と呼ばれ、慰問なども含めた刑務所イベントは大手芸能プロが大半を取り仕切っているといわれる。刑務所慰問の代表格といえば、まさにそのバーニング系の大物、杉良太郎だ。



 杉は自費数十億円を刑務所慰問に費やしているといわれ、法務省から特別矯正監にも認定されている。この日もテープカット式に登場、ほかに矯正支援官として認められたタレントたちを紹介してイベントを取り仕切った。MAX、石田純一、落語家の桂才賀らがステージに並び、特別ゲストとして西内まりやが登場すると、ある芸能記者が横で「杉さん筆頭にした刑務所派閥ですね」と言っていた。

「EXILEのATSUSHIやコロッケ、夏川りみなんかもその輪に入ってますが、芸能界の派閥事情によって、入りたくても入れないタレントもいますよ。マギー司郎やゴルゴ松本なんかが慰問をしても、マスコミがほとんど来ていなかったりするのはそのせいでしょう」(同)

 出演タレントのPaix2(ペペ)は2000年のデビュー以来、400回近くも交通費や宿泊費も自腹で慰問コンサートをしてきた女性デュオだが、記者によると「彼女らは最近、杉さんの傘下に入った」という。

「杉さんは刑務所慰問に協力的なタレントを手下に置ける見返りとして、彼らの慰問に宿泊費や交通費の“手当”を付けるよう進言したといわれてます」(同)

 それだけの力がありそうな様子は、イベント中も見受けられた。
杉は石田を紹介する際「彼は真面目な方で、これからさまざまな刑務所を訪問させてくださいと言っているんです」と話した。石田は苦笑していたが、こう言われたら各地の刑務所を回らないわけにはいかなくなるだろう。

 さらに西内には「何か刑務所の人たちのためにできることはないですか、と言う矯正支援官候補です。まだ正式な支援官じゃないので官服を着てはいけないんですけどね」と言い、その瞬間に西内は「すみません」と恐縮、これから支援官にならざるを得ないような空気を作られていた。

「刑務所慰問をするしないのオファーは、まるでバーニングの軍門に下るのかそうじゃないのか、みたいな踏み絵っぽい話」(同)

 多くの女性ファンを虜にした杉の“流し目”だが、「今はまるで圧力の目」と芸能記者。テープカット前に、マスコミ向けの撮影タイムがあり、30人近くのカメラマン撮影をする中で、司会が「続いて動画を」と振ると、「長いんじゃないの」とひとにらみし、相手を怖がらせていた。


 ただ、この矯正展自体は、刑務所で作られた家具や靴、文房具、食品などが刑務所ごとに販売されて賑わっていた。杉の活動が社会の役に立っているのは確かだ。

「熊本大地震では、多くの人たちが熊本刑務所に助けを求めて、(避難所として)受け入れてくれた。こうしたことが全国に広がればいいと思う」と誰も異論が挟めない話もしていた。

 いずれにせよ、日本の芸能界が暴力団から生まれた経緯を考えれば、タレントが暴力団関係者もたくさんいる場所に慰問をすることは自然な流れに見えるものだ。
(文=ハイセーヤスダ/NEWSIDER Tokyo)