Hi-STANDARD公式サイトより

 タレントのマギーとの不倫が報じられたパンクバンド・Hi-STANDARDの横山健に、ファンの失望が止まらない。破天荒なイメージのパンクロッカーとはいえ、これまで家族愛や社会正義について叫んできたカリスマ的な人物とあって、意外な“ゲス不倫”には「ガッカリ」の声が乱れ飛んでいる。



「いつもライブで家族一番みたいなこと言ってたのに不倫なんて嘘つかれた気分」

「家族を大事にしてるイメージがかっこよかったのに、不倫が本当なら、作られたイメージだったって感じ」

「ファンの子に手を出したってぐらいなら許せるんだけど、20代前半のハーフモデルって選択がミーハー感丸出しでガッカリ」

 これらネットのSNSなどで散見される意見で、逆に「パンクだから不倫はカッコいい」と称える者もいたが、横山のファンは、その音楽のみならず生きざまに惚れる傾向が強く、そこに強い家族愛が含まれていたのは事実だ。

 横山はメロディック・パンクがブームとなっていた1991年にHi-STANDARDを結成して大人気となったが、若い世代の青春パンクブームが到来していた2000年に活動休止。長いソロ活動を経て、11年にバンド活動を再開させると、反原発イベントなどにも参加して、安倍晋三首相や自民党政権批判をメディアで叫んでいた。

 妻との間には05年と09年に生まれた2人の息子がおり、その名前を腕に入れ墨し、ライブでは事あるごとに家族への愛を叫んでいた。

 昨年12月もラジオで「ミュージシャンとしての活動が多く、育児が疎かになって申し訳ないと思った」と語るなど、何かにつけ家族愛を引き合いに出していた。

 今回の不倫報道は、写真誌「FRIDAY」(講談社)がマギーの自宅に通う密会時の写真を掲載し、2人がマギー司会の音楽番組『バズリズム』(日本テレビ系)で知り合ったことや、ちょうどマギーがオレンジレンジのメンバーと破局した昨年8月ごろから関係が始まったことなどが伝えられた。
積極的な物言いで知られる両者が、これにまったく反応していないことを見れば、おおむね記事が事実であろうとみられている。

 ただ、ショックを受けるファンを横目に「横山は、みんなが思っているような人間ではない」と断言する音楽関係者もいる。

「彼の音楽は確かに素晴らしいんだけど、家族思いの熱血漢みたいなキャラはウソだよ。前にテレビのドキュメンタリーで、ライブ後の打ち上げを断って『子どもを風呂に入れなきゃ』とか言っていたのがファンを感激させたみたいだけど、カメラが回っていると、急にそういうことをやりだす。俺の知っている彼はうぬぼれ屋で、金儲け好き。パンクロッカーなんてのは本来、私生活はデタラメで、『俺、女5人います』とか言うような奴だけど、音楽だけはすごいっていう芸術家みたいなタイプがいるけど、横山は違う。
実際に不倫しても、隠れてコソコソ続けてたでしょ。そんなもん、パンクロッカーなら一晩でヤリ捨てて終わりのはず。アメリカのバンドマンで、クスリや女遊びと無縁で、自分でレコード会社持って成功させたビジネスマンみたいな奴がいるんだけど、どっちかといえば、横山はそっちを手本にしてたよ。ライブのMCはまんま矢沢永吉からパクったりして、かっこだけってところがあった。だから、成金みたいなベンツ乗ったりもしてるでしょ。そういう見栄っ張りだから、カメラの前では必要以上に正義漢ぶる。
人によく見られたくて仕方ないヤツだからね。あまりその言葉をうのみにして、ヘタにカリスマ視なんかしないほうがいいんだよ」(同)

 なんとも厳しい言葉が延々と並んだが、この人物は横山と一緒に仕事をした経験のある先輩格の業界人で、昭和の時代に大物ロックンロールバンドとも仕事をしてきただけに、「もっと自己矛盾のない正直なミュージシャンをいくらでも見てきた。ロックで一番ダメなのは、自分を偽ることだろ」とする。

 確かに横山は過去「家族を愛しく思えない人間に、国は守れない」とかっこいい発言もしていただけに、その人物像が実際にどうあれ、ファンを惹きつけた言動の説得力は損なわれたかもしれない。
(文=藤堂香貴/NEWSIDER Tokyo)