最近、女子アナの間でカラーコンタクトレンズを着用しなくなった者が多いという。ある女子アナは、今年の春ごろまでブラウン系のカラコンを着用して番組に出演していたが、現在はまったく使用しなくなっており、「同様の女子アナはほかにも多数いる」とテレビディレクター。



 きっかけはタレントのマツコ・デラックスが4月、バラエティ番組『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、久保田直子アナウンサーのカラコン着用を批判したことだという。番組では久保田アナが黒目を大きく見せるためのカラコンを着用していることについて、マツコが「もう年なんだから、やめたほうがいいよ」と批判。久保田アナは「黒目が小さくて、取ると別人になってしまう。裸は見せられても、コンタクトを取った顔は見せられません」と説明し、抵抗したが、マツコは有吉弘行とともに「カラコンの目はウソの目」「カラコンババア」とさらに追い込んだ。

 これには視聴者の間で議論が起こり、ネット上で「30代女性のカラコンはアリかナシか」の賛否両論が噴出。そこに元TBSの小島慶子アナが「誰がカラコン入れようと勝手じゃない?年齢がどうとか、ただの嫌がらせじゃない?ドン引き...」「なんで年齢を理由に人前で批判するの。
それ、普通にやったらいじめだよ」(原文ママ)とTwitterで参戦していた。

 前出ディレクターによると「番組スタッフの間でも、久保田アナに同情的な声が多かった」という。

「中には『マツコだって、40代のオッサンのくせに女装しているじゃないか!』と言う人もいましたね。久保田さんは以前からカラコン着用を公言していて、それもファッションアイテムではなく、先天的に黒目が小さい症状によるもの。これは厚生労働省が薬事法の対象にもしている医療用のもので、そこを中傷するのは、同じ悩みを持つ人たちを傷つけることにつながる」(同)

 ただ、局内での久保田アナへの同情論は彼女の人柄も影響していたようで、同僚の男性アナウンサーもこう言っていた。

テレ朝の女子アナの多くは、他局の30代前後でフリーになってしまう“アイドルもどき”とは違います。
久保田アナも、ちゃんとニュース原稿も実務もこなす人で、それをまるでおバカタレントと同じいじり方をされたのは不快でした。彼女は下請け制作会社の番組スタッフが退職したときにも涙をこぼしながら感謝の品を渡したような人なので、なおさらです」

 しかし、そんな同情論は局外にまで広がらなかった。

「この問題が大きくなると、番組自体に批判が集まってしまう可能性があった。それに、マツコさんは視聴率の取れる人気タレントですから、誰も反論できないですよ。正直、カラコン女性よりも、超肥満体の女装オッサンのほうがよっぽど少数派なはずなんですけどね」(前出ディレクター。)

 そんな事情からマツコの発言が優勢に見えたままになり、それを気にしてカラコンを外す女子アナが急増したのだという。


 もっともマツコの場合、毒舌による女子アナいじりは定番ともいえる芸風であり、番組を盛り上げようとしての発言だったことは明らか。久保田アナが食い下がったのも、場を温めるプロの仕事ではあった。

 そういう意味では、ひそかにカラコンをやめてしまった女子アナたちの存在はマツコへの“忖度”の結果なのかもしれない。
(文=片岡/NEWSIDER)