高視聴率とは裏腹に、「新シーズン、最高ー!」「新キャラが投入されて、パワーアップ!」という声がなかなか聞こえてこない月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)。なお、14日放送の第5話の平均視聴率は、前回とタイの13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。



 前回、突如投入された緋山(戸田恵梨香)と料理人・緒方(丸山智己)の不倫展開ですが、果たして視聴者が納得する方向へいくでしょうか?

高畑裕太の父が初登場!

 つわりが酷く、トマトしか食べられない冴島(比嘉愛未)のために、藤川(浅利陽介)はトマトの箱を抱えて出勤。

 緋山は“友人の話”として、好きな男に妻がいたケースについて白石(新垣結衣)に相談。しかし、白石に「不倫はダメだよ!」と大声で返されてしまい、緋山が恋に悩んでいることが新人フェローたちにバレてしまいます。

 そんな時、ドクターヘリ要請が。下水道工事中の作業員が増水のため流され、救助に当たっていたレスキュー隊員も負傷しているとか。早速、白石たちがヘリに乗り込み、現場へ。
意識のあるベテランレスキュー隊員・倉田正敏(大谷亮介)の処置は新人の名取(Hey! Say! JUMP・有岡大貴)に任せ、白石たちは意識のない若い作業員・吉崎(長谷川慎也)を救命センターに搬送します。

 あれ、大谷って、1年前に高畑裕太の父親だって認めてたあの俳優ですよね? 月9に出てるってことは、特にイメージダウンによる仕事の影響などはなかったって感じでしょうか? よかったですね。

 さて、白石が吉崎の治療をしていると、冴島が「ううう」と急に苦しみだし、出血。緋山が処置に当たるも、破水。藤川との子どもは、妊娠13週で死産してしまいます。緋山いわく、冴島は流産や早産を引き起こす頸管無力症だったものの、検診で気付かれなかったんだそうです。


 その頃、名取が「上腕骨骨折だから」と2次救急病院に運んだ倉田の容態が、急変。ショック状態となり、翔北救命センターに運ばれてきます。ショックの原因は、名取が骨盤骨折を見逃したためで、橘部長椎名桔平)も「これがわかんないってことあるか?」とおかんむりです。

 藤川が急いで処置にあたるも、何も言わず処置室から出て行ってしまう名取。さらに、新人フェロー仲間に「なんか俺がやらかしたみたいでイヤなんですけど。結果、大丈夫だったんだから、いいでしょ。
まあ、いい経験だよね」と言い放ち、白石に「患者にとって、次はないのよ」と怒られてしまいます。

 あくる日、名取に変わって骨盤骨折の見落としを倉田に謝罪する白石。しかし、倉田はそれよりも、意識不明状態が続いている吉崎を助けられなかったことを悔やみ、食べ物も喉を通りません。そんなプロ意識の高い吉崎を見て、名取もちょっとずつ意識が変わってきます。

 一方、入院中の冴島は、トマト以外の入院食がおいしく感じることで、死産を実感。藤川に「もっと早くヘリを降りればよかった。
あの日、白石先生の言うとおりにしていればよかった」と後悔を打ち明け、号泣します。

 そんな冴島にかける言葉が見つからず、「俺、あいつ幸せにしてられるかな」と悩む藤川。しかし、藍沢(山下智久)から「お前は、毎日悲しみに溢れる救命で、みんなに明るさをもたらしてる。それはすごいことだ」と励まされ、前向きな気持ちを取り戻します。
 そんな中、緒方が離婚寸前であることが発覚。緋山は、緒方から離婚届の保証人になることを頼まれ、躊躇することなく署名。


 ラストは、藍沢の手術を終えた天才ピアニスト・奏(田鍋梨々花)の手に後遺症の痺れが残ってしまったところで、第5話は終了です。ああ、つらい、つらい。

■見ていて、つらい……

 今回は、比嘉の泣きの演技が素晴らしかったです。ただ、「え? こないだまで堕胎考えてなかった?」とか、「結局、シアン中毒になったのが流産の原因なの? 違うの?」などと気になったり、緋山の口から飛び出した「マクドナルド手術」という名称が頭にこびりついたりしたせいで、なんかいろいろもったいなかったです。ちなみに、マクドナルド手術とは、子宮頸管縫縮術のことだとか。

 そうなんです、医療用語の解説テロップが出たり、説明台詞でわかりやすく説明する医療ドラマも多い中、同作はそれをしません。
本格派ドラマ感が演出されると同時に、ちょっと引っかかる言葉が出てくると、そこで「ん? 今なんて言った?」と思考が止まってしまうというリスクも。スピード感があれば大丈夫なのですが、最近のようなゆるやかなテンポだと、たまに「ん?」ってなっちゃうんですよね。

 それより、もう、怪我人や病人を月曜日の夜9時に毎週見るのって、つらくないですか? いや、それ以上に印象的な展開や感動があればいいんですけど、今のところ見た後に「かわいそう」「痛そう」っていうイヤ~な感情ばかり残ってしまうんですよね……。

 この感覚って、1stシーズンや2ndシーズンでは、そうそうなかったんですよ。スピード感もあったし、怪我人や病人にまつわる人間ドラマが濃かった。だから、最後にMr.Childrenの「HANABI」がかかったときに、心地よい余韻に浸れたんだと思うんです。でも、今シーズンは単純につらさばかりが残ってしまって。

 唯一の救いは、第5話に、子どもが血だらけになるシーンが出てこなかった点。いやもうね、初回からいたいけな子どもがやたらと血を流しすぎですよ。お祭の山車に挟まったり、船の下敷きになったり、BBQの串が喉に刺さったり、吐血したり……。『コード・ブルー』ならぬ、『コードモでブルー』ですよ、こりゃ。あ、ちなみに、筆者が子どもが痛がるシーンを見たくない理由は、子どもがいるからです、はい。

 というわけで、個人的には、次回も子どもが「痛いよう! 痛いよう!」と泣き叫ぶシーンがないことを祈りつつ、1週間を待ちたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)