横浜・八景島シーパラダイスが地球上で最大の海中ショーとも言われる「サーディンラン」を再現したショーを4月16日より開始した。
先日、IGNITEでもこのイベントが行われることはお伝えした通りだが、さっそくIGNITE編集部では横浜・八景島シーパラダイスに向かい、実際に見てきたのでその様子をレポートしたい。
写真と共に“中の人”が教えてくれた裏話や見所なども踏まえて紹介していこう。
「サーディンラン」は、プロジェクションマッピングや新型の照明を取り入れることで、実際に行う事が可能になった。
というのも、ただ群れをなしている姿を展示するのではなく、捕食者から逃げ、大移動を行うというストーリーあってこその「サーディンラン」を映像や光で表現する必要があったからだ。この「サーディンラン」の構想は3年ほど前からあり、ずっとやりたいと思っていたという。
まず、通常の状態はコチラ。縦8m、横12mもの水槽には5万尾のイワシを含め、合計6万尾の魚たちが悠々と泳いでいる。
しかし、ショーが始まると一転、緊迫した音楽と暗い照明へと変わる。それと同時に、イワシの群れの動きは速まり、音楽と照明と映像で約5分間の「サーディンラン」が始まる。それまでの“優雅なひととき”は一瞬にして終わってしまうのだ。
「イワシの見せる輝きや動きに注目して欲しい」というのは飼育技師の安部さん。水槽全体や群れに目が行きがちだが、1匹1匹が輝き、独立した生物であることを忘れてはいけない。
そして、プロジェクションマッピングによる捕食者達の映像が「サーディンラン」にストーリーを与えている。
これは空中から海面に飛び込む捕食者を表現している。一見、邪魔に思える柱だが、これを上手く利用した縦の動きが非常に目を楽しませてくれる。
さらには大型の捕食者も次々に映し出されていく。映像に合わせて効果音ももちろんセットだ。
この水槽には「シロワニ」という大型のサメもいる。実際にイワシを食べてしまう事もよくあるとか。
普段と同じ水槽を「照明や音楽で演出しているだけ」と思ったら大間違いだ。上下左右から与えられる餌や、光による刺激を活用して普段では見られない動き、「サーディンラン」を表現している。
一瞬しかないイワシの輝きや動きに言葉を失う。
これ以上は実際のショーで体験して頂きたい。
終わると同時に観客から起こった拍手がこのショーの素晴らしさを物語っていた。
約5分のショーだが、わがままを言えばさらに10分は見ていたい、というかいつまでも見ていられると思うのは二度とない動きの連続が飽きを来させないからだろう。
1日3回~6回行われるショーは、シーパラに来たら間違いなく見るべきプログラムだ。
ここからは飼育技師の安部さんに伺ったお話を中心に見所や裏話をQ&A方式で紹介していこう。
──サーディンランの秘密について
水槽の上に照明や餌の量などをコントロールエリアがあり、すべて1人で行っている。バックヤードツアーに参加すれば見る事もできる。
──サーディンランを見るオススメの場所
水槽前の小上がりになっている中二階のような場所の真ん中がベストポジション。
──サーディンランの見所
水族館なので生き物をよく見て欲しい。美しくもあり、激しさもあるイワシの動き。そして、イワシの輝き方、色の変化を楽しんで欲しい。
──サーディンランをやる上で大変だったこと
ただ群れをなすだけではなく、いかにお客様に危機迫る、「サーディンラン」というストーリーを伝えるかどうか。そのためにプロジェクションマッピングや新しい照明などを導入した。
──(話は逸れるが)イルカなどのショープールでジンベエザメを飼育している理由
ジンベエザメを受け入れられる水槽がそこしかなかったからというのが理由。
当初、ショーを行うプールでジンベエザメを飼育するのは世界初だったのでかなり慎重に行った。相性などを見る為に2ヶ月程イルカショーを中止していた時期もあった。
このジンベエザメとイルカ達の共存は「サーディンラン」よりも大変だったという。
今回スポットを当てた「サーディンラン」以外にもゴールデンウィーク期間は様々なイベントが目白押しとなっている。
ゴールデンウィーク期間中は「花火シンフォニア」が開催され、20時半より10分間花火が打ち上げられる。
そして、5月6日までは「さかなクンのわくわく海スクール」が開催中だ。これはさかなクンがイラストや言葉でその水槽にいる魚の説明をしてくれるというもの。
筆者は十数年ぶりのシーパラ訪問となったが、その頃と変わらずとても楽しい時間が過ごせた。
「サーディンラン」が行われるメインの水族館「アクアミュージアム」はもちろん、時代とともに増築された「ドルフィンファンタジー」「ふれあいラグーン」「うみファーム」の4種類すべてが違うタイプの水族館となっていることも楽しさの理由だろう。
そして何より、海辺でBBQしながら飲むビールが子供では楽しめない最高の瞬間だったのは言うまでもない。
(IGNITE 編集部)